フィレンツェのコモード

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ビンテージのチェスト(あるいはコモード)。

1940年代頃のイタリア製です。

フロレンタインウッド(フィレンツェ家具)と呼ばれる、ルネサンス時代から続く伝統的な技法を用いた、たいへん素敵な装飾によるものです。

三段ひきだしを備えた一台。

イタリアンロココと呼ばれる、猫脚など曲線を多用したフォルムに金彩をほどこした仕上げがされていますが、とくにボンベシェイプ(サイドパネルやフロントパネルに見られる膨らみ)を携えたフォルムは本当にきれい。
コモードとは脚の付いたチェストの名称ですが、飾り箪笥を指すこともあり、こちらなどはまさにそんなコモードの呼び名がぴったりです。

横の比率も大きいので、コンソールのような、またはリビングボードのような雰囲気も持ち合わせています。
上に鏡や絵を壁掛けてテーブルランプを載せて、花や小物を飾ったり・・・、お部屋の象徴のような存在になってくれながら収納も出来る、そんな作品です。

フィレンツェならではの装飾も十二分に発揮されています。
年月でブロンズ色味を帯びたゴールドに、ライトグリーン、そして赤の差し色。鮮やかな印象もあれば、静謐で渋い印象もあります。
 

天板はモールディング仕上げ。

ひきだし面は、波打っています。
取っ手は、ブロンズのラウンドハンドル。
ひきだしの中は、珪藻土のような質感の塗料で仕上げがされています。

エプロンはシェルモチーフが装飾されています。

脚は猫脚。
後ろ脚は背面がフラット仕上げで、壁にぴったりつけることが出来ます。

石膏のような素材で厚くコートした上に型押し装飾を施し、その上に彩色をしてあります。

色は金箔のような上質なゴールド。
脚やひきだしのアウトラインに沿ってさっとダークブラウンでフィニッシュがされていたり、ひきだし面やサイドパネルはニッケル色でぼかしが入れてあったり、時おり刷毛目も付いていたりしていて、表情ある仕上がりを見せています。
フロレンタインウッドの中では、塗装の経年変化が少ない方です。

裏側は塗装されていません。

しっかりとした状態です。

サイズ
H81cm/W80.3cm/D35cm

ひきだしの内寸(各)
深さ12.3cm/幅54cm/奥行28cm