Diary
買い付けの番外編『朝、コーヒーをかって』
去年、隣町でコーヒーの焙煎屋さんに出会いました。
雑味や強い苦みがまったくなくて、
まろやかで、ほのかに甘い。
個性的なのにクセがなくて、
一日に何倍も飲みたくなる(じっさいに飲んでいる)。
だから困るくらい・・・
そんな美味しいコーヒーにすっかりハマって
足しげく通うようになりました。
そこのお店のさらに嬉しいところは、
店内で焙煎待ちをするお客さんには窓辺のカウンターで、
豆の持ち帰りのお客さんにはホルダーに入れて、
それぞれに淹れたての日替わりコーヒーをサービスしてくれるところ。
私は後者。
なので車を運転しながらコーヒーをいただくのですが、
それが何とも至福の時間で。
そんな話しをKioでお客さまとしていて
思い出したことが。
買い付けの朝の日課は、
コーヒーを買うことなんです。
LA周辺には美味しいコーヒー屋さんがたくさんあるのですが、
なかなか早朝から開いているところは少ないので、
どんなホテルの近くにも必ずあるセブンイレブンで買っています。
日本と違って(コンビニに滅多に行かないので今の事情が分からないのですが、、)、
店内の目立つ一画がコーヒー売り場になっていて、
店の奥のキッチンで作られサーバーにたっぷり注がれたコーヒーが何種類が置いてあり、
好きなサイズのカップを取って、欲しいコーヒーを自分で注ぎ、
カウンターでお金を払うシステム。
私は決まってコロンビアなのですが、
なかなか美味しいです。
よほど売れるのか安い(500mlカップがたしか3ドルくらい)のも嬉しい。
セブンイレブンに着くまではまだなんとなく寝ぼけ気味なのですが、
コーヒーをホルダーにセットするやいなや、
気分は高まり、一気に買い付けモードに。
そしてコーヒーを飲みながらフリーウェイを走る。
ラジオから音楽が流れて、景色も流れて。
この時間がほんとうに大好きなのです。
「買い付けっていうと、いちばん思い出すのがこの時間のことなんですよね」
苦笑いしながらお客さまに言うと、
「車を運転している時間って、頭が整理される時間でもあるから、
だから買い付け全部が詰まってる車やフリーウェイのことが浮かんでくるんじゃないかな」と。
なるほど!
きっとそうだ!
そのお客さまもさっそく前述のコーヒー屋さんで豆を買ってファンになられたのですが、
『なんだろう、この澄みきった感じ…と思う、
無駄なものはなくて、伝えたい味だけ残してるような・・・』
そんなメールをいただきました。
「伝えたい味」その言葉にはっとしました。
伝えたいという、想いがまず先にある、そんな物作り、
そして物作りだけじゃなくて、ひいては仕事全般・・・・・・
それもまた私は大好きだと。
コーヒーから色々と広がってしまいましたが、
じつは前から書きたいと思っていた「買い付けの朝コーヒーを買って・・・・」
そのことがやっと書けました。
お付き合いくださりありがとうございました!
今回ご登場いただいたお客さま・Sさんにも感謝を。
↑おまけ。
セブンイレブンのコーヒーの写真がなかったので、
ハリウッドのこわもて俳優ダニー・トレホがやっているドーナツショップで買ったコーヒーを代わりに。
ここのドーナツはとっても美味しいです。
お届け日記『19世紀のチェスト、終の棲家へ』
19世紀のチェスト。
ビクトリアンな雰囲気漂う佇まいもですが、
長い歳月の間に塗装に生じたクラッケルの模様・・
・・自然のものなのですが、模様と呼んでしまいたくなるような・・
が本当に魅力的。
こちらを大変気に入られて、
その時は他のお品にされたのですが、
二度目の時にはすでに心に決められていたのか、
「やっぱりこの子を・・・」と、
再会を喜ぶようにしてお求めくださったお客さま・Tさん。
ご自宅のガーデンで育てたお花をドライにするところから始めて、
それらを使ったフラワーアートの創作活動をされています。
今日はそんなTさんのお家へのお届け日記です。
向かった先は滋賀県。
少し早く着いたので、
「まずどのお家か、先に確認させていただこう」ということになったのですが、
ひときわ素敵なお庭が目に入った時、
「きっとあそこだよね!」と夫とふたりテンションがあがりました。
ジャンクなものを鉢にして、
元気な植物たちがぴったりな場所に配置されたガーデンは、
そこ自体もTさんの作品なのだと思いました。
地元の農家さんに譲って貰ったという道具もサマになっていて、
真似してみたくなりました。
「ちょっと前までのバラの時期は良かったんですよ」とTさん。
たしかにそれも見てみたかった。
でもこの時の、イキのいい色んな緑が集った様子、
こちらまでシャキッとさせてくれるほどにみずみずしくて、きれいで、
とても気持ちが良かったです。
チェストは「とりあえず・・」ということで、
一階のTさんの工房へ。
ドライになったお花やハーブのにおいが大好きなのですが、
ここは深呼吸したくなるほどでした。
Tさんが丁寧にお花に向き合っていらっしゃる・・
そんな緊張感や空気感まで宿っているような・・・
チェストはそのうちに二階の自室へ運ばれるそうなのですが、
この空間にもしっくりと!
Tさんもさっそく喜んでくれました。
一度目の時も二度目の時も、
何とも言えない眼差しをTさんはこの子に向けられていましたが、
今回お家にお邪魔して、
この子を好きになって下さったはずだ!と思いました。
出会いはまるで奇跡のようだけれど、運命のようでもあり・・・・・
自分にふさわしい場所に行けて、
チェストもチェストできっと嬉しく、
そして深呼吸も出来て、すっかり寛いだ毎日を送っていることではないかしら。
Tさん、本当にありがとうございました!
公開が遅くなってごめんなさいでした。。。
二階のリフォームと、その先の夢。
もう9月だなんて早いですね。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
8月は長いお休みをいただいておりましたが、
お陰さまで二階のリフォーム、かなり進みました。
昨年末に薪ストーブを置いた部屋。
羽目板にまで造作して中断していた壁と斜め天井に、
やっと色がつきました!
くすんだ薄いブルーにする予定で、
塗料は去年から準備してあったのですが、
いざ試し塗りしてみると、薄い感じがどうもしっくりこない・・・・
「濃いめで、そして暖色がやっぱり好き」ということで、
前からずっと気になっていたアニースローン・チョークペイントの『スカンジナビアンピンク』という、
くすみがあって顔料らしさが前面に出たピンクで塗りました。
するとフローリングの床が壁をぼんやり見せているのが気になり始め、
床もペイントしてしまおうということに。
白がいいと思ったとき、
店舗の白い床でいつかしたいと思っていたダイヤのステンシル模様をここにつけよう!となって。
そうしてこんな空間が出来ました。
正確には、出来てきました。
さすがにステンシルに時間がかかって、床はまだあと4分の1くらい残っていますし(笑)、
いちど買い足したピンクがけっきょく足りなくなり、壁もいちぶで未完成・・・
それでも薪ストーブ部屋、
念願だったオイルランプも似合ってくれましたし、
HPの撮影でも使っていけそうで、
頑張った甲斐がありました。
もともとは猫達の専用ルームで、
ここを手に入れた時のごくごく普通の内装のまま
ケージやキャットタワーがおかれた状態だったので、
それを知っているひとはきっとびっくりするだろうなあ。
(猫部屋は、陽の当たる南側に引っ越しました)
スカンジナビアンピンクの買い足しは、
「久しぶりに桑名まで行ってみようか」と
桑名にあるアニスローンの日本総代理店まで出かけました。
高速を使うと1時間で行ける距離にあるのが嬉しい。
到着すると、いつも外に出てみえてお会いしたことがなかったオーナー夫妻がいらっしゃり・・・
知識、技術だけでなく、
アニースローンへの熱い想い(=インテリアや色への飽くなき想いにも繋がる)を持つお二人に出会えたことが
本当に嬉しい出来事となったのでした。
アニー・スローン本人のエピソードが聞けたのも楽しかったですし、
思いがけないお話もいただきました。
Kioではもう10年近くアニースローンの塗料を使って
商品のリペイントをおこなっていますが、
ものの状態やお客さまのご要望に応じてで、
本格的にではありませんでした。
ところが去年くらいから
「Kioのもう一本のラインと謳えるくらいに、本腰を入れてやっていきたいな」と
急に強く思うようになったんですね。
それこそスカンジナビアンピンクみたいな色で塗って、
ワックスをかけてからダークカラーで表情をつけて、
チェストだったら、ひきだしの中も塗る・・こんどは違うカラーで・・、
そうやって世界にたったひとつしかない家具に再生して販売してみたいと。
総代理店のご夫妻からいただいたのは、そんな矢先でのお話でした。
まだ何か進展があったわけではないのですが、
もしかしたらそのうちにご報告出来ることがあるかもしれません。
お話し、ふたたびリフォームのことに戻りまして・・・・・
キッチンも羽目板にして色を塗る予定でしたが、
薪ストーブ部屋の作業が予定以上に増えたので
こちらも羽目板が途中までになっているところです。
薪ストーブ部屋はさっそくHPの撮影で使ってみましたが、
写真だと塗りムラが出てしまって、
もう一回塗るといいのかなあ。。
キッチンもそう遠くないうちにHPの背景に登場すると思いますので、
またぜひ覗いてみてください。
Kio、少しずつですがまだまだ変化をいたします。
これからもよろしくお願いします!
『バスケットムーン』‐100年も長持ちするかご‐
すっかり間があいてしまいました・・・・・・
しばらくぶりに家具ものが入荷したこともあって、
荷受けしてから沢山の方に足を運んでいただきました。
HPにも多くのアクセスをいただいております。
皆さま、本当にありがとうございます。
↑キャビネットを撮った画像なのですが、
今の店内がわりあいと写っていたので載せてみました。
量産されたものが流通の大半を占めるようになって久しいからか、
手作業を感じる、素材の質感が伝わる・・、
そして「こんなのまであるんですねえ」と、
声がもれるほどに珍しいものと時に出会える・・・、
そんなアンティークに、
素直に感動したり反応される方が、
前より増えてきているような気がします。
買い求める・求めないはまず置いておいて・・、
アンティークに反応を示す人の裾野が広がってきているように、
店頭に立っているとそう感じるのです。
Kioは関西と伊勢をつなぐ街道沿いにあるので、
カフェと間違えて通りすがりに入るお客さまも多く、
そんな方でも興味を持つ度合いが前よりも高まったなあって思うので
それもあって余計に。
この間、素敵な絵本の古本と出会いました。
『満月をまって』
1999年 バーバラ・クーニー作
アメリカ東部の山奥で、かごを編んで生計を立てる家族を描いた物語です。
とうさんが作るのは、100年も長持ちするかご。
それなのに行商先の町の人に野蛮なもの扱いされたがために
すっかりかごが嫌いになる少年。
そんな少年にある晩、木と風の声がきこえてきて・・・・
職人は、とうさんをいれて三人だけ。
木を伐り出して丸太にするところから始まり、
素材のリボン(ヒゴのようなもの)作りから編み上げまで、
すべての工程を手作業でおこなっています。
口数は少ないけれども、こころに信念を持つ職人たち。
お話しもとても良かったのですが、
「かごづくり」そのものにも強く心を打たれたのでした。
ニューヨーク州のハドソンからさほど遠くない山奥にじっさいにいた、
たいへん丈夫で美しいかごを編む職人たちがモデルになっているのだそうです。
アンティークのかご、
買い付けでも見ている。
絵本に登場するようなかごは
今や博物館の収蔵にもなっているのだとか。
だけどひょっとしたら、ひとつふたつは目にしたことがあったかもしれない。
かご。
思えば大好きなアイテムなのに、
あまり縁が無いままきてしまった。
こういう本を読むと、がぜん興味がわくし、
暮らしのなかで使ってみたくなる。
100年も持つかごがあること。
そして世の中には同じようなものがきっと他にもいっぱいあって、
もしかしたら作り方も存在も忘れ去られようとしているかもしれないということについて
ずっと考えている。
アメリカ買い付けフォトギャラリーと、お知らせと。
↑LA近郊のオールドタウン。
アンティークディーラーが何軒か集っています。
どこか哀愁漂うこのエリア(笑)が、何故か好きです。
さて、先にお知らせからです。
買い付け商品ですが、
4月下旬に名古屋へ到着予定との通達を受けておりましたが、
5月7日に変更となってしまいました。
コンテナ船、
入港は無事にしたのですが、なんとそれは東京港で、
名古屋港へはトラックで回送される流れだったようです。
その到着が予定より遅れ、5月7日になるとのこと。
連休があるので、
そこかしこでスケジュールに乱れが出ているのだと思いますが、
それにしても混載便はなかなか勝手が違うものだなあと、
ひとつ勉強になりました。
なんにしましても状況が不透明ですので、
入荷(店頭お披露目)時期につきましては、
こちらへの到着日がはっきりと決まってからのご案内とさせていただきたく、
再びの大幅変更で大変申し訳ありませんが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
↑西の空に不思議な雲が出ていました。
今回いちばん使ったフリーウェイ10号線の、帰り道。
↑日曜日。何故か行くところ行くところにXの雲。
夫に電話で話すと「イーロン・マスクがお金払ってやってたんじゃない?」と。
なるほど。笑
↑向こうのインフレと円安のダブルパンチで、食費がたいへんでした(笑)
ベトナムフォーですら2500円、サブウェイもハーフサイズで1200円、、、
そうだ、メキシカンの屋台!と思って行くと、タコスが1350円でした、、、、、
でもケサディーヤ、美味しかったな。
↑目に入った瞬間「え!」と声が出た、フロレンタインの一台。
入荷は遅れますが、無事に日本に着いて良かった!
再会が楽しみです。
↑さいきんビンテージカーに興味が出てきて、それでオイルの缶やらサーバーやらに目がいきました。
ほんとはこういうのも大好きなんです。
↑フリーマーケット会場に到着しましたの巻。
荷がまだだというのに、また行きたくなってきます(笑)
日本でもマルシェがすっかり根付いて、ゴールデンウイークは色々なところでイベントがあるのでしょうね。
皆さま、どうぞ良い連休をお過ごしください。
荷受けは出来ませんでしたが、
Kio界隈も新緑に溢れています。
よろしければ遊びにいらしてください!
アメリカ買い付け紀行「復活祭が近づくころに」
↑買い付け三日目の朝。
だんだん迫りくるレイクアローヘッド。
移転したり、縮小したり、
中にはオーナーチェンジや閉業をしていたり・・・・・、
今回の買い付けでは、
ディーラーに多くの変化が見られました。
頻繁に買い付けるようになって久しいフレンチ系のディーラーも、
そのうちのひとつ。
昨年の夏、彼らからニュースレターが届きました。
それは大家さんから「10月までにここを明け渡してください」と突然立ち退きを強いられ、
あと二か月しか猶予がなくなったことを告げる悲しい知らせ。
「アンティーク屋」と言うよりも、
「アンティークで作り上げた世界」と言ったほうがしっくりくるような、
そんな、
オーナーの情熱と、
熱が伝搬したブースオーナー達とで築き上げられた空間。
それがなくなってしまうなんて・・・
規模拡大リニューアルしてまだ数年という背景もありましたので、
みんなの気持ちは如何ばかりかと思いましたし、
再建が心配でした。
ところが彼らはすぐに新たな場所を見つけて、
またたく間に再建に漕ぎ着けた・・・・・!
そこに訪れるのも、今回の楽しみのひとつでした。
そこそこ古くに建てられたレストラン跡なのかな?
踏み固められて、磨きもかかったテラコッタの床と、
アーチがいくつもある天井と、漆喰の壁。
スペイン風の瀟洒な内装でした。
でも前と比べると、広さが半分くらいに。
やむを得なかったんだろうな。
それよりも近くにいい場所が運よく見つかって、
すぐに再建して、すごいと思った。
素敵な空間も健在!
オーナーはあいにく留守でしたが、
ブースのひと達もとても楽しそうでした。
残念だったのは、買い付けたい品に出会えなかったこと。
でもみんなからエネルギーをいっぱい貰いました。
↑あ!と声があがったものの、柱の大きな傷が気になって見送ったハッチ。
傷も含めていいと思えるものも沢山あるのですが、この傷はどうしても。。。
↑イースターが近かったので、色んなところでウサギが。
このあと行ったディーラーは、オーナーチェンジ。
チェンジ直後だったみたいで、ちょうどオープン準備中とのこと。
また買い付けが出来ませんでしたが(笑)、
一軒目では良い成果が出ていたので!
↑一軒目を終えて、積み込みの巻。
違反の場所に、いちおうディーラーのお墨付き?を貰って一時停車。
しかし背後の建物は、要人も泊まりにくるホテル。
早速おまわりさんがコンビで近づいてきて焦りましたが、
アンティークのピックアップですと言うと、すぐ理解して手を振って立ち去りました。ほっ。
さて、お話しが前後しますが、
前回の買い付け紀行のさいごに書いたオレンジ市では、
2005年・初回からの馴染みのカントリー系ディーラーが、
場所は変わっていないのですが、規模縮小で、
半分くらいの売り場になっていました。
三年ぶりに会うオーナーの娘のケイティが
「わーーーお」と声を張り上げて駆け寄ってきてくれました。
ケ「さいごに来たのいつだっけ?」
私「三年くらい前」
ケ「それじゃあ空間が小さくなってから初めてだよね?」
私「うん」
ケ「ね!ね!小さくなったでしょう!」
それが嬉しかったことみたいに、高らかに言うケイティ。
すぐは面喰らいましたが、
「ゆっくり楽しんでいってね!何かあったら声をかけてね!」と、
ほんとうに生き生きとしてて。
そんなケイティが愛おしくなりました。
小さくなったけれど、空間は相変わらずで、
新しいブースオーナーが入ったのか、インテリア本のページを開いたような一角もありました。
ゲートレッグテーブルを買い付け。
今回はこれ一台。
「これだけなのお!」と、満面笑顔で怒るケイティでした。
この善い人たちのビジネスが、
これから先もながく続きますようにと、
色々な行き先で願った今回の買い付けでした。
アメリカ買い付け紀行「フリーマーケット」
日曜日。
オレンジカウンティのフリーマーケット会場にやってきました。
前回の買い付け紀行に書いた、
ディーラーのディアナから教えて貰ったというのはここです。
存在は知っていたのですが、
足が向かなかったところ。
でもディアナの「小さいんだけれど、とてもいい内容なのよ。
あなたのテイストにも合うんじゃないかしら」との言葉にこころ動かされ、
訪れてみることにしたのです。
メルローズのフリマくらいかなあ?と
自分なりに小さいのをイメージしていたのですが、
その3倍くらいはあり、浮足立ちました。
南カリフォルニアのフリマでは
どこに行っても馴染みのディーラーの姿があるものですが、
ここには誰ひとりとしていない。
みんな、ローズボウルに行っているみたいだ。
そう、第二週なのでローズボウルがあったのですが、
そちらは当初の計画からも省いたくせに、
こちらには来たという(笑)
朝いちから来ていますが、
ローズボウルがあるというのに、人がけっこう多くて活気がある。
ローカルエネルギーと、
アメリカでのアンティークの人気の高さを感じながら、
会場をまわりました。
買い付けも5日目で、終盤に差し掛かる頃。
もとより少なかった予算も減ってきていて、
出物が多かったらどうしよう・・・と
ヘンな心配があったのですが、
困るようなことにはならず(笑)、
それでいて、ここで欲しいと思ったものは集めることが出来ました。
↑右端のシェルフも買い付けました。1920-30年代頃のもの。
ビクトリアンな感じの上品さと、家庭的な感じが同居しています。
わあ、アンティークの糸つむぎ機!
こんなのが店内にあったら、
しばらく売れなかったとしても、もの達を生き生き引き立てる存在になってくれそうだし、
場に物語が生まれそう・・・・・・
迷いましたが、
今回はとにかく不足している定番商品の買い付けが優先でしたので、断念。
ああ、でも円高だったら買っていただろうなあ。。。
ディーラーは一軒一軒に個性があり、
ディアナが言うように良いフリーマーケットだなあと思いました。
古着と、そして古着リメイクのブースも多かった。
↑こちらはリメイクの帽子も手掛けてるディーラーさんでした。
トラックも気になった!
ディアナに「あなたは古着はやらないの?」
「古着もいいと思うけれど。私は大好きだわ」と言われて
(じっさいディアナのブースには、古着のハンガーもありました)、
なんだかKio店内に古着が並んだ絵を想像したらしっくりきて、
古着を見かけると、いつに増して丁寧に見たのでした。
↑妙に気に入った子供用のつなぎ。
「これ一枚だけ急に店に並んでもなあ」と見送ったのですが、頭にインプットしておこう!
フリマ会場をあとにして、
オレンジカウンティはオレンジ市に移動してきました。
フリーウェイを降りたら立ってたコンテナ看板。
写真だと広く見えますが、小さな果樹園までこしらえてあって、オレンジ市の大アピール。
看板の色のせいですかね、なんだか懐かしい気持ちにさせられました。
前回は来なかったので、数年ぶりのオレンジです。
ディーラーにも変化が見られました。
ここでのエピソードはまた後日にしたいと思います。
今回もお付き合いくださりありがとうございました!
アメリカ買い付け紀行「スパニッシュな町でのひとこま」
まずは、入荷についてのお知らせです。
先日のダイアリーでは
「エアー便で」とお伝えさせていただきましたが、
運送会社さんが荷造りしてくださったところ、
見込んでいたよりもワンパレット分、多くなりました、
思ったよりも買い付けのボリュームが多くて
そのことは喜ばしいのですが、
見積もっていただくと、
いくらエアーのレートが良くても
さすがにコンテナ船の混載便との差が大きく開いてしまったので、
予定変更で、船便で出すことになりました。
今のところでは、4月24日に名古屋に入港予定です。
早くお披露目出来そうですと大威張りでお知らせしておりましたが、、
こんなふうでこれまでのコンテナと同じ日程となります。
予定が変わってしまってごめんなさい、、、、
お披露目は、ゴールデンウイーク頃になりそうです。
白山町がいちばん気持ちのいい季節です。
入荷状況は順次お知らせさせていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします!
さて、今回の買い付け紀行は、ある日のひとこまを。
土曜日は、オレンジカウンティの海辺のエリアをまわりました。
その日の二軒目での出来事です。
訪れたのはアンティークモール(冒頭の写真)。
観光地にあるので、町もモールもいつも賑わっているのですが、
この日は何かイベントでもあったのか、
とにかく車がぜんぜん停められなくて、、
モールの裏の駐車場も、とても広いのにいっぱい。
通りの駐車スペースも、何ブロック先まで行っても満車。
町はずれのショッピングモールの駐車場が空いていたので停めさせて貰ったのですが、
車だと近く感じても、
いざアンティークモールまで歩いてみると15分もかかってしまいました。。
せっかくなので散歩を楽しみました。
↑町にはスパニッシュな建物が多いです
↑スパニッシュな何か?を取り壊したかと思われる跡。
噴水と塀のいちぶだけ残っていたのを、フェンスの網目にレンズを入れて撮影。。
モールが見えてきました。
到着すると、いつもは施錠され「正面へおまわりください」との札をさげた扉が
開け放たれています。
扉の横は、前回アンティーク食器をいくつか買い付けたブースで、
今回も楽しみにしていたところ。
ブースにはマダムがひとりいて、
値札をつけているのが戸口から見えました。
ここのブースオーナー、いるのは初めてだ。
「ここから入ってもいいですか?」と聞くと、
「もちろんよ。どうぞ入って来て」との優しい声。
アンティーク食器をこよなく愛しているという彼女の名前は、ディアナ。
「ハリウッドで長く暮らしていて、メルローズに店も持ってたんだけれど、
姉がいる海辺のこの町に数年前に越して来たの。今はこのブースのオーナーよ」と。
↑お客さんが入れ替わり入ってきました
日本でアンティークショップをやっていて、
アメリカで買い付けをしていること、
私も数年前に大都市からカントリーサイドに引っ越したということ、
ディアナのブースからも前に買い付けたことがあると言うと、
ぜんぶにびっくりしてくれました。
スポードのブルーイタリアンみたいなのをセットで展開してみたくて、
何かないかなと期待したのですが、
今回の出会いは、
ひと目惚れしたロイヤルアルバート、
日本のなのよとディアナから紹介されたシリアルボウル、
あとクロス類を少しにとどまりました。
クロスの中の一枚は、1920年代のフランス製。
少し高かったので、ディアナの熱心さがなかったら断念していたかも。
色々なレクチャーを聞くことが出来ましたし、
耳寄りなフリーマーケット情報まで貰えて、
ブースオーナーがいるのも楽しいし良いな。
けっきょくここのモール全体での出会いも少なく、
車を正面にまわす必要がなかったので、
大きな紙袋を両手に提げて、ふたたび駐車場までの15分の道のり。。。
それなのに行きに目に入って、
拾おうか拾わまいか迷った立派な松ぼっくりを
やはり拾うことにして。。。。
松ぼっくりは緩衝材にもなってくれそうだったので
家具のひきだしに入れました。
この日の思い出と一緒に、来月ひきだしから出て来てくれます!
アメリカ買い付け紀行「サンディエゴのたからもの」
二日目。
サンディエゴ方面へ。
サンディエゴの手前のオールドタウンでの買い付けを終え、
こんどはメキシコ国境付近の町まで大きく移動。
どちらの町もディーラーが多いので
いつもなら二日間に分けてまわるのですが、
今回は確実なディーラーを目指したかったので
オールドタウンを午後いちばんにはひき上げて、次の町へ。
↑オールドタウンで買い付けた品のひとつ、古いバギー
次へは、内陸をずっと通ってのルート。
ロッキーマウンテンを越えて行きます。
大好きな道。
陽光があたる乾いた山肌に、
牧柵や農場が時おり姿を現す。
「こんなところに住んだとしたら、どうやって暮らすだろうな」
「アンティークを手直してフリーマーケットに出して、
ブースのかたわらに敷地で採れた果実で手作りしたジャムを並べて売るとか?」
考えていたら楽しくなった。
サンディエゴに到着。
まず向かったディーラーは、
主要なバイヤーコンビが辞めてテイストがすっかり変わってしまって以来、
足が遠ざかっていたところ。
久しぶりに彼らのブログを見るとテイストが戻ってきていて、
自分のなかのアンテナも大きく振れたので、
数年ぶりに訪れました。
オーナー・ロリの旦那さまのジョンが私に気づき、
飛んできてくれました。
ロリは体調を崩してお休み中とのことでびっくりしましたが、
「すぐ治るから心配いらない。次回は会えるよ」とのこと。
「そうそう、ジェームスとブライアンがまた戻ってきたんだよ」
私が来なくなった理由が分かっていたのか、
ジョンは得意になって、くだんのバイヤーコンビのブースに案内してくれました。
ブログで見たテーブルがある!
予想通りのプライス。
でも今のレートだとなあ、、、、、
久しぶりに来て、初めての値段交渉が始まりました。。
ジョンがその都度根気よく二人に電話してくれたお陰で、
何とか欲しいものを集めることが出来ました。
ロリのブースにも、とびきりのキャビネットが!
もう売値と変わらない金額だったのを、
ジョンがロリに自主的に掛け合ってくれました。
申し訳ないくらい値引きしてくれたのですが、
それでもまだ厳しくて・・・・・
「この家具の値打ちはちゃんと分かっている、
けっして高いとは思わない、
今は円安だから、それで厳しい」ということを
きちんと伝えました。
するとあと少し値引きをしてくれて。
まだ厳しいには変わらなかったけれど、
もうそんな問題ではないと思った。
オーナー夫妻との友情って言うと
書いているそばからなんだか恥ずかしくなってきますが、、
そんな気持ちも確かにあって・・・・・
キャビネットを買い付けました。
この日は男手がジョンだけでした。
車への積み込みが以前と比べて少ししんどそうだったので手伝うと、
「Kioは強いんだなあ」と。
そうだよ、いつも手伝うなって頑なに言うけど、
ほんとは力持ちなんだよ、
だから一緒に運ぼう。
二台、一緒に運びましたが、
次の家具の時には女性スタッフが呼ばれて来ていて、
あとは終わりまで彼女が積み込みの補助に。
このあとサンディエゴのディーラーを三軒まわり、
今度は海沿いを通って帰りました。
忙しい一日でしたが、
ロリのウエアハウスでの出来事が何度も思い出される帰途でした。
みんな本当にありがとう。
初日(前日)があまりふるわなかったので、
無事に買い付けが出来たことにも感謝の一日となりました。
アメリカ買い付け紀行「マジックアワー」
3月6日から14日までアメリカ買い付けでした。
今回も「イースト」と呼ばれているLAの東エリアに滞在しました。
ダウンタウンLAの運送会社さんでの荷下ろしを終え、
帰宅渋滞のフリーウェイを避けて
した道でホテルに戻る、
途中、40年代くらいまではLAの繁華街であったであろう面影の残る街並みを通り過ぎ、
そして静かな住宅街を抜け、
毎日ルートを少し変えてみての20分間、
3月のLAの夕暮れどきは20時近くまで続くのですが、
どこもかもが明るいオレンジをまとった・・
何とも言えない光の景色のなかを走るのが楽しみでした。
買い付けの結果ですが、
今回は家具の買い付けもおこないましたが、
円安で予算がずいぶん減ってしまったため(同じ金額の円で予算を組んでいるので)、、
コンテナ満載にははるか及ばない量になりました。
もっと予算があれば買いたかったもの・・・・・
たくさんありましたが、
でも涙を飲んだもの(?笑)でいうと
大型家具3点くらい。
シビアに買い付けが出来たと思いますし、
中身にも満足が出来ています。
買い付けに出るようになって、19年になろうとしています。
(けっこうびっくり・笑)
思えば最初の頃はもっと予算も少なくて、
コンテナをチャーターしても、その半分にも満たない量なんてことも何度かありました。
そのうちに予算も物量も増えて、
二か月に一度渡航しても追いつかない時期が長く続いて・・・。
三か月に一度にして、量を増やす作戦に変えて、
それ以降はそんなペースになったけれど、
ものが見つかりづらくなってきて、買い付けエリアの拡大に迫られた数年があり、
そして2020年から三年間は、行けない期間になった。
やっていれば色んなことがありますね。
19年間分のことはぜんぶ、
どれもこれも経験出来て良かったことばかりだと思っています。
さて、買い付け商品の入荷についてですが、
運送会社さんの梱包が終わっていないのでまだ正式決定ではないのですが、
見立てでは航空便のレートが良かったので
船の混載便ではなく、家具も小物も一切合切、エアー便で送ることにしました。
そうなれば、量は少ないですけれど、
早く到着します!
また順次ご案内させていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
ダイアリーも次回から買い付けのお話を綴っていきますので、
お付き合いいただけたら嬉しいです!