アメリカ買い付け紀行『ロリーのウエアハウスにて』
時代背景が違うから、
それから手工業で作られたものだと個数も少ないでしょうから
(たった一個しか作らなかったというものなんかもいっぱいあると思う)、
ひとつひとつにオリジナル性や個性がある、
「こんなのもあるんだ」
アンティークの買い付けをしていると
こんなふうに思うものとの出会いがあるのが楽しいです。
この馬車。
あるディーラーで売りに出されていたもの。
大型のものを展示用に置いてるアンティークモールがあったりしますし、
車輪やシートなど、パーツだけになって売られているのはときどき見ますが、
こんな完全な姿の二輪式ははじめて。
しかも、このアンティークなピンク!
なんだかもう、ハラハラしてきます。
リペイントかとは思いますが、「From HOLLYWOOD」と張り紙がされていたので、
どこか特殊な場所からの出物なんじゃないかな。
いつかこんなものも買ってみたいです。
このディーラー、
家具や小物などもちょっとスペシャルな感じのものを置いてるので
毎回欠かさず訪れます。
今回はこんな古いファイヤースクリーン(暖炉の衝立)が見つかりました。
正面にはフラゴナールの「ブランコ」のプリント画が張ってあります。
ビンテージの木馬のことを書いたずい分前のダイアリーからの引用ですが、
建築家の安藤忠雄氏が
「何の役にも立たない『余白』のようなものに人は惹き付けられるし、
そこから生活するための知恵が生まれる」
みたいなことをテレビで語っていた。
安藤氏のは建築的な側面からの発言だったし、
画像の馬から生活の知恵は生まれないだろうけれど、
もしかしたら、こんなのをひとつ取り入れることで、
インテリアを見直してみたり、
新しく空間を作ろうって意欲が湧いたりするかもしれない。
それらは『余白』なのだから、なんの妨げにもならず、生活に余裕をもたらしてくれるかもしれない。
少し縮めて載せましたが、こんなことを書いたことがあるのを
ファイヤースクリーンを買い付けながら思い出していました。
今もその考えは変わらず自分の中にあります。
おまけ。
同じディーラーにて。
この日はオーナーが留守。
「ロリー(オーナー)からことづてがある」とのことで、
スタッフの女性が小さな箱を手渡してくれました。
開けると、千代紙で作ったこんな素敵なプチ・トルソーが!
「この紙・・・・!」
「そう、あなたがこの前ロリーにプレゼントした日本の紙よ。
ペーパークラフトのアーチストがここに来てね、
それでロリーが彼女に頼んで作って貰ったのよ。
これは、ロリーからあなたへのプレゼントよ」
なんて嬉しい素敵なプレゼント・・・・!
ロリーの心がこもっています。
手荷物だと危うく潰してしまうといけないので
家具のひきだしに入れてコンテナで送ることにしました。
来月の対面が楽しみです!
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