北海道へ おおきな原野の小さな家
6日から8日まで、お客さまを訪ねて北海道を旅してきました。
釧路空港でレンタカーを借りて走ること一時間。
標茶町(しべちゃちょう)の牧草地帯に佇む、黄色い壁のコテージに到着。
お客さま・木村ご夫妻のお家です。
家具職人のご主人と、今はガーデン作りに専念する奥さまが、
35年の歳月をかけて築かれた、内も、外も、すべてが手作りのお住まいです。
インターネットでKioを知っていただいたのがきっかけで、
かれこれもう7年くらいのお付き合い。
「良かったらいちど遊びに来てください」
メールやお電話で暮らしの様子を断片的に聞いて、ずっと気になっていた木村邸。
三重の里山に移転してそれはますますのものとなっていた矢先、
思ってもないお招きをいただいて、
今回の訪問となりました。
ガーデンに面したリビングには、造形も質感も美しいご主人作の家具が置かれています。
そこに仲間入りしている、Kioからのフロアランプ三台。
「夜になるのがすごく楽しみ」と言っていただけるほどのお気に入りになってくれていました。
この子などは「この螺旋階段のために出てきてくれたみたいだ!」と大満足いただいています。
しかしです!
この階段こそがすごいのです。
こちらまでご主人がひとりで作られたのですから!
床も、昔の学校の体育館の床を剥がして、お二人で張ったのだそう。
使い勝手がよくて生活感のこもった、素晴らしいキッチン。
アイランドも流し台も、ご主人作。
珍しい木製のコーヒードリッパーも、旋盤細工によるお手製。
ご主人が焼いてくれたシナモンロールと、スコーン。
実はご主人、今月15日からご自宅の空間を使ってカフェをオープンされるのです。
シナモンロールとスコーンも提供されるのですが、
シナモンロールは華やかなシナモンの香りがいっぱいで、生地は味わうほどにしみじみ美味く、
スコーンは小麦粉の風味も食感も抜群で、
どちらも私のストライクでした。
この空間と眺めが付いてくるんですものねえ。
紅茶だけでなくコーヒーもポットで供されるので、
ゆっくりと過ごすことも出来ます。
住所は最後に記しますが、
地元の方はもちろん、
北海道へお出かけの方、観光から離れた・・でも北海道の自然やぬくもりにひたることの出来る・・
木村さんのカフェへぜひお立ち寄りになられてみてはいかがでしょう!
二階のゲストルーム。
ベッドもぜんぶご主人作です。
「どれがいいですか?」と、奥さま。
選べるんだ!と、わくわくしました。
真ん中と迷いましたが、なんとなくフィーリングで右端のベッドに。
もとからのシーツやカバーを外して、
ゲスト用のリネンでベッドメイキング。
奥さまと一緒にやったのですが、すごく楽しかったです。
そして、Kioでお求めいただいた二台のソファと再会!
なかなか見ることの出来ない木工家具とクラシック家具の素敵な競演に感動でした。
ソファは他のゲストの方からも大好評なのだそう。
もちろん木村ご夫妻もお気に入り。
「Kioさんで買い逃して悔しい思いをしたソファがまだあるんですよ」
家具工房を営みながらも
アンティークが大好きだと言ってはばからないお二人が
素敵だと思いました。
ソファの対面の壁には、Kioでお求めいただいた5灯のブラケットランプが。
大理石のパウダーを混ぜたという、質感だけじゃなく色味も絶妙の漆喰壁に、
しっくりとけ込んでいました。
木村家の飼い猫・あやめちゃんが、二晩とも添い寝に来てくれました。
くずかごもKioからのものです。。
階段室のブラケットもKioでお求めいただきました。
お家は、旧校舎の教員住宅をベースに
古い農家や旧国鉄の宿舎の柱やレンガ材、
学校の体育館の床など
捨てられる運命にあった古材を使って
改築したもの。
漆喰がぴたりとはまって、
まるでイギリスのカントリーハウスのよう。
そしてバスルーム!
私の夢の空間がそのままカタチになって目の前に現れたものだから、
もうたいへん。
(私の悲鳴のような声を聞かされた木村さんもたいへんだったかと。。)
さいきんお求めいただいたピンクシートの椅子がぴったりでした。
見た目の方が勝って合理的でないイメージが強いホテルタイプのバスルームですが、
「洗い場を作らないお風呂の方が、水で家を傷めないんですよ」と木村さん。
「大丈夫。鹿しか覗きに来ませんから」と、木村さん。。
薪ストーブはリビングにもう一台ありましたが、
「これだけでじゅうぶん暖かいのよ」と奥さま。
北海道の冬、
ほんとにこれ一台で大丈夫なんだろうかと思ってしまいますが、
このお家はなんとガラスが4重(!)になっていて
そのお陰で断熱効果にとても優れているのだそう。
それは夏場にも言えていて、
私の滞在中は本州の夏のような気温だったにもかかわらず、
室内は締め切っていても冷んやり感じられるほどでした。
「家のランニングコストがあまりかからないですよ」と。
二日目は奥さまとガーデン散策したり、
ガーデンのポリジの花やミントを摘んで、二人で砂糖漬けを作ったりして過ごしました。
こんなことが今の場所に越してきてやりたかったことなのに、
目の前の仕事が優先になって、なかなかじゅうぶんには出来ないでいる。
でもそこを少し・・、仕事の制約をちゃんと受け入れながらも時間を作って、
暮らしの彩りをもっと豊かにしていきたいと思いました。
「今はガーデンがキャンバスね」
そうおっしゃるのは、長く美術に携わってこられた奥さま。
いちばんの見ごろは7月だそうですが、
色彩やバランスがとても美しくて、“絵”になっています。
キッチンガーデン。
ここで採れたビーツやラディッシュ、ブルーベリーたちも食卓に並びました。
名前を呼ぶと、いつも顔をこちらに向けてくれる、みかんちゃん。
木村邸へのびる白樺の並木道は、
自生した苗木を集めて木村さんが作りました。
長い時を経て、こんな素敵な小道になったんですね。
私たちもこれからも作っていこう。
木村ご夫妻、
色んなことを学ばせて貰ったり、
温かいおもてなしと楽しい時間を、
本当にありがとうございました!
家具工房北欧舎
cafe & showroom
北海道川上郡標茶町北片無去313番地
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