2017年11月
クリスマス切手と、お知らせと。
まずはお知らせから。
買い付けから戻ってまだ一か月経っていませんが、
今回はタイミング的にコンテナの手配が早く出来、
ビンテージ達が載ったコンテナ船、
もう明日名古屋に入港です。
先日お客さまに「やっぱり楽しみなんじゃないですか」って訊かれたのですが、
そうなんです!、
中身はもれなく分かっているのだけれども(笑)
それでもほんとうに楽しみでワクワクします。
船に遅延などなければ、荷受けは12月2日土曜日。
荷受け後はまたいつものように開梱とディスプレイ作業に数日費やしますため、
2日から5日火曜までのあいだ、臨時休業とさせていただきます。
お披露目は定休日明け7日木曜からです。
この日からHPにもアップをしていきますので、
実店舗、ウェブショップともども、どうぞよろしくお願いいたします!
重ねてお知らせですが、
Kioの裏庭に小さな小屋がありまして、
こちらを増築することになり、夫が基礎工事を進めています。
荷受けまでにキリのいいところまで終えておきたいようで、
明日あさってはHPへの商品アップをお休みさせていただきます。
入荷後からお披露目までの間もアップはお休みになるので、
一週間ほど更新がおこなえません・・・
楽しみに見てくださっている皆さま、
本当にごめんなさい・・・・。
ところで冒頭の画像ですが・・・・・
子供の頃に、たしか輸入フェアみたいな展覧会で買って貰った
外国の古切手が何枚か入ったアルバムを久しぶりに開いていたら
クリスマス切手を一枚見つけました。
こういうとき、ネットってほんとに便利ですね!、
1970年のイギリスのクリスマス切手だと分かりました。
毎年クリスマス切手を出していたみたいで(今もなのかな?)、
76年くらいまでのものの画像も一緒に出てきました。
絵がひじょうに小さくて見づらいですが、
こちらは天使が羊飼い達にキリストの誕生を告げる場面のよう。
何かうまくディスプレイ出来ないかちょっと考えて・・・・・・、
クリスマスが終わるまで店のどこかに飾っておきますので
また見つけてやってください!
LAの運送会社さんで撮ったKioコーナーの一角。
クリスマス切手もふくめて、ビンテージの仲間が待っているし、
お客さまも楽しみにしてくれているので、
みんな無事で到着してね~!
アメリカ買い付け紀行/第四話『オレンジ郡とシネマ』
日曜日。
この日からお天気は一転して曇天。
霧がかかるダウンタウンLAを出て、オレンジカウンティへ。
向かったのはアンティークモール。
<元気な多肉植物さんがお出迎え>
規模としては小さいほうなのですが、
毎回楽しみにしている買い付け先のひとつ。
フレンチだったり、宮廷スタイルだったり・・、
Kioの必須アイテムが充実しているのかと言えば
そんなことはぜんぜんないのですが、
各ブースのオーナーさん達の丁寧なバイイングぶりが品揃えにあらわれていて、
いると心地良くなってくる場所。
なんだか、普通にショッピングに来ているときの感覚ですが(笑)、
ここが好きなのはそんな理由。
(ロフトまでびっしりモノの詰まった暗い倉庫でワイルドに買い付けるのも楽しいですが。。)
移動、移動・・の日々の中でのオアシス的なディーラーです。
家具も見つかるときは、積み込む様子を見てお客の男性が手伝ってくれるほどなのですが
(ここはマダムばかりなので)、
買い付けられたのは小物ばかり。
(どうも今回はこんなパターンが多い。。。)
<今回見た中ではいちばん感じ良かったんですけど、惜しいことに傘受けが無くなっていて、
代用品もそう上手くは見つからないだろうと見送ったホールツリー>
「もう一回、見ていったら?」と笑うモールオーナーのマダムに別れを告げて
少し離れた別な町へ。
ここはちょっとした観光地。
いつの間にか晴れてきていました。
ここではサボテンさんがお出迎え。
訪れたのは今度は大型のアンティークモール。
レストランやお土産屋さんが立ち並ぶ通りにあります。
日曜日とあって、大賑わい。
カウンターを任されている女の子、
ちゃきちゃきのアメリカ人って感じの子なのですが、
自分にかかってきた電話に
「私いま、スーパー・ビジーなの!
スーパー・スーパー・ビジーなんだってば!」って怒っていました(笑)
そんな彼女や、他のスタッフにいくつかオーダーを入れ
(彼女はお客さんには親指を立てて「グッチョイス!」とか言ってくれます・笑)、
まずまずの成果が出たことにほっとなりながら
モールのいちばん突き当りのブースに来たとき、
それがありました。
<1800年代後期頃のカップボード>
買い付け前日の日記で書いた「夢に出てきた二台の階段」、
一台はネイビーとダークレッドの配色で、
もうひとつは古い木の質感が前面に出たもの、
その両方を合わせたような雰囲気の家具が佇んでいたのです。
十秒くらいぼーっと突っ立ってから、
次に慌てて状態確認に入りました。
なんかもう買うのは決めていたみたいです(笑)
解説に「映画スタジオの小道具ハウスからの出物」とありました。
「これまで何本もの映画に登場しました」とも。
どんな作品なんだろう。
映画や夢に出たことも嬉しかったですが(笑)、
これはどう使ってもすごくいいと思う、
そんな子に巡り会えたことに感謝の思いでした。
この日は終日オレンジカウンティをまわり、
満載になったバンでLAに戻りました。
フリーウェイを降りて、ダウンタウンのイースト。
もう少し先は運送会社さんがある倉庫界隈です。
しかし日曜は運送会社さんはお休み。
荷下ろしは翌朝です。
前日の土曜から始まった映画のロケ。
けっきょく水曜日まで続き、
その間、倉庫街は完全封鎖。
黄色いテープが張られ、何人もの警官や関係者が立つ
通りの入り口の前を通り過ぎる。
「やってる、やってる!」
巨大クレーンで吊られた照明が、あちこちで見える。
「昨日は中に入るのひと苦労だったけど、明日はどうかな?
もう分かって貰えてるから大丈夫かな?」
バンの中にもひとつ、映画に携わったモノが入っている。
モノも集まったからか疲れもなく、
良い日曜日の夕暮れでした。
アメリカ買い付け紀行/第三話『土曜日の買い付け』
土曜日。
この日は内陸のエリアをまわりました。
まずは大型のアンティークモールへ。
こちらも10年ぶりくらいの訪問です。
出物が減ったのを機に足が遠のいていたのですが、
当時と比べるとKioの幅も広がり、
今なら違うモノが色々買い付けられるのではないかとの期待を込めて。
エントランスを入るなり、その期待は確かなものになりました。
出迎えてくれたのは、ルイ15世様式をはじめとする宮廷スタイルの家具・・・!
やっぱり足を運ばないとダメだなあ・・・・・
ひょっとしたらモールの内容も変わったのかもしれないけれど、
ずい分ともったいないことをしていました。
ただ残念ながら、家具ではぴんと来るものが無く・・・・、
<↑時代はあるのですが、もうひとつ決め手に欠けたミラーバックのキャビネット>
その代わりテーブルランプのいいのが何台か集まりました。
「あなた、デコレーターなの?」
ランプばかり集めてくるからそんなふうに見えたのか、カウンターのマダムにそう訊かれました。
「日本でアンティークショップをやっていて、家具の買い付けで来てるの」
するとカウンターにいたもう一人のマダムが顔を上げ、
「スケート好きで日本びいき」とのことで、
真央ちゃんの話題になりました。
(この町からも見える大きな山のふもとのリンクに
たしか真央ちゃんはかつて練習拠点を置いてたことがあったはず)
真央ちゃんファンですし(笑)、
束の間でしたが日本に話題がおよんで、
なんだか嬉しかったです。
今回はランプばかりでしたが、
家具だってきっといい出会いがありそうなので、
このモール、次からもまた訪れたいと思います。
(真央ちゃんがいたリンクからさらに山寄りのところにも
アンティークのディーラーがいるんですよね。
ストリートビューで見ると、カリフォルニアとは思えないような雪景色。
ディーラーのウエアハウスも、何世代も引き継がれてきたような古い小屋で・・。
それに惹きつけられながらも、どうしよう、どうしよう・・と長年迷ってきましたが、
これを機にそこにも次回足を伸ばしてみよう!)
二軒目もアンティークモール。
何台も家具が買えることのほうが多いのですが、
ここもまた小物にとどまる結果に。
けっきょく見送ったのですが、
珍しくホテルに戻ってから夫にメールで意見を聞くほど迷ったビクトリア時代のバンブー・ドレッサー。
夫は「これは好きなひとにはたまらないと思うよ」と、押してくれたのですが、
こういった特殊アイテムを買うときに必要なのは「どうしても」という気持ちが伴うかどうか。
そこまでにはいたらならなかったので、やはりやめました。
イギリス製とありました。
色濃くて、はっきりとした柄の壁紙を張った部屋にあったような気がする・・・。
山からどんどん離れるルートで
さいごに、フリーマーケットで知り合ったマダムのウエアハウスへ。
こんなテーブルをはじめ、いくつか家具を買い付けた頃には
バンの荷台もいっぱいに。
フランス製の古いキッチンハンガー。
これもここで買いました。
ボウシェイプや、木の感じがたまりません。。。
『マルセルの夏休み』とかに出てきそう。。
きっとそれなりの値段だと思い、やはりそうでしたが、
これは「どうしても」(笑)欲しかった。
よくお客さまが「アンティークにはストーリーがあっていいですね」とおっしゃいますが、
またちょっと違ったストーリーを持つような子も同乗して、
帰り道は賑やかで楽しかったです。
おまけ。
ダブルのロッキングチェア。
数が少ないのかな。特殊ではないと思うのですが、出会ったのははじめて。
張り替えがされていて、残念ながらその仕上がりがあまり良くなかったので見送りましたが、
こんなのもいつか買い付けてみたいなあ。
ロッキングチェアの座り心地って、思いのほかすごくいいし、
ダブルというのがまたいいですね~。
アメリカ買い付け紀行/第二話『サンディエゴ~ワインカントリー』
今回はじめてサンディエゴに泊まりました。
初日のワンナイト・ステイです。
毛布(家具の当て)をお借りしに寄った運送会社さんを14時半に出て真っすぐ向かったのですが、
順調なら2時間で行けるところ、
渋滞で18時の到着になってしまいました。
買い付けは翌日からに。
朝。
いつもとは違う景色に気持ちも変わります。
最初に向かったのは、知り合って9年、
回を重ねるごとに信頼も厚くなり、今ではもっとも取引きの多くなったディーラー。
ウエアハウスに入ると、なんだか様子が違う・・・・
宮廷スタイルやハリウッドリージェンシー、それにフレンチ、
そこの特色だった品揃えの半分は影をひそめ、
代わりに開拓使時代の道具や、ラスティックな家具たちがスペースを埋めています。
もちろんそんなモノ達だって大好きですが、
Kioの主力商品ではないし、買い付けの先頭にもってくるものとも違う・・・・・
私の呆然とした顔に気づいたスタッフが声を掛けてきました。
「少し変わったでしょう・・?少しね」
少し?
・・・・・・・。
とにかく買い付け開始。
オーナーは不在でしたが、彼女のセレクションの中からいくつか買えました。
しかし、それ以上が難しい。
すると背後から「ハイ、Kioサン、オハヨゴザイマス!」と陽気な声。
若い頃、仕事で日本に住んでいたことのあるオーナーの旦那さまでした。
明るい声もそこまでで、
「JとBがリタイヤしたんだよ。Bは高齢のお母さんのもとに行かなければならなくなってね・・・・」
すぐに彼のほうから事情を聞かせてくれました。
8月のことだそう。
前回の買い付けの直後だったんだ。
オーナー夫妻同様、二人とも本当にいい人でした。
商品だって、繊細で上品でお洒落で・・・。
これまでどれだけお世話になっただろう。
さいごに会ってお礼が言えなかったのが悔やまれます。
そのあともサンディエゴのディーラーを何軒かまわりました。
ランプ専門のディーラーも見つけたので足を運んでみたのですが、
ほとんどが近年の中古品でした。
一台、真鍮の扇風機と一体になった古いフロアランプがあり
(写真撮らせて貰えば良かった。。
扇風機の両脇に、同じ支柱から枝分かれした二灯の燭台形ランプが付いたデザインでした)、
とびきりかっこ良かったのですが、
数千ドルもしていました。。。
古い建具をメインに扱うディーラーにも久しぶりに行きました。
以前は豊富だった照明器具の品揃えもめっきりと少なく・・・。
JとBの不在の大きさを感じながら
30分離れた次の町へ移動。
この日の買い付け結果は、前回のダイアリーに書いた通りですが、
量は少なかったとは言え、買えたモノ達には満足しています。
10年ぶりくらいに、こんな椅子も買いました。
花柄ビニールレザーシートのモダンチェア。
オープン当初のKioの代名詞的な存在でした。
Kioのテイストが少しずつ変わっていったこともあるかもしれないけど、
まず出会い自体が減り、
そんななかで久しぶりに可愛い子が出てきました!
当時はスターベースのモダンテーブルと組み合わせて販売していましたが、
今だとペイントのテーブルやデスクにも合わせてみたい。
このビニールレザー、
戦後の好景気に沸いたアメリカの最高の技術が使われているんです。
航空機のシートを作っていたカンパニーが手掛けたりしていて、
だから今でもしっとり・ふっくらとした感触や質感とともに生き続けている・・・・。
その良さを伝えたくて、しゃかりきになっていたオープン時のことを思い出していました。
ごつごつしていてもいいから(品物がじゃないですよ。。)、
もっとダイナミックなKioになっていきたい。
思えばそんなふうに幅を広げたり、掘り下げていくなかで、
お客さまに喜んでいただいてきたのだから・・・・。
そのあとは、ウエストレイク時代の小さなシェルフを買い付けたり、
その隣に掛かっていた大昔のベッドウォーマーも欲しくなってきたのですが、
「これは今はまだかな。。」と見送ったり・・・・・
バンの荷台はさびしい結果ではありましたが、
買い付けの現場は悲喜こもごもでございました。。。
おまけ。
「マダム達のフリーマーケット」にも出している雑貨店がいちばん最後に行ったワインカントリーにあり、
買い付けが終わってから寄りました。
ここではチョークペイント(石膏質のペンキ)が買えます。
四日後のハロウィーンは通り越して、もうクリスマスモードに入っていました。
ディスプレイが上手くて羨ましい!
什器で使っていたアンティークのカウンター。
ただならぬ雰囲気に思わず譲って貰うことは出来ないか訊いてみると、
「あなたみたいにすごく気に入ったひとがいてね、こないだ売れちゃったのよ」と。
うーん、残念。。。
アメリカ買い付け紀行/第一話
10月26日から11月3日まで、アメリカ買い付けでした。
前半は晴れで猛暑、
後半は曇天で、夕方からは肌寒い日もあったり。
なんとも両極端な気候の今回でした。
買い付けでは沢山のモノを集めることが出来ましたが、
大勢いるなかでKioにとっていちばん頼りのディーラーが
主力バイヤーふたりが辞め、内容ががらりと変わってしまっていたという
考えたくもなかったことが起こっていて、
出鼻をくじかれる・・・・、
そんな幕開けでした。
「出発前に買い付け先を洗い直したのも、何か虫の知らせだったのかも・・・」
ちょうどそのあとからは新規のディーラー数軒と、久しぶりの町をまわるスケジュールだったので
気持ちを切り替えてのぞむものの、
ここでも成果があがらず。
慌てて別の町に移動するも、フリーウェイが渋滞。
閉店まで残り20分となったアンティークモールに到着。
初回から訪れているので親しいスタッフばかりですが、
みんな終わる気、満々で。。。
大急ぎで見て回って買えた二点が、
半分に満たない積載量のバンの荷台に追加されました。
滑り出しはそんなで、
さすがにこのあと大丈夫なんだろうか・・と不安になりましたが、
捨てる神あれば、拾う神あり?、
もう今回はホテルでもずっとディーラーを調べていたのですが
終盤、ちょっと検索ワードを変えてみたら新たに出てきたディーラーがあり、
良さそうだったので行ってみると、
フレンチの素敵な品を豊富に揃えた内容だったんです。
しかも、隣には宮廷スタイルをメインに取り扱うディーラーがあり、
その新たな二軒は、ふたりのバイヤーが辞めたディーラーの穴埋めをしてくれる存在になってくれたのでした。
↑ピンクの張地のセティを買い付けました!
しかしこの町、
ここも初回からずっと来ているところで、
長年付き合っているディーラーからも目と鼻の先だったというのに、
なんで今の今までこのディーラー達のことを知らなかったんだろう。。。
それは非常に情けないにしても、不思議なタイミングです。。
そしてこれからのKioに新たな風を送り込んでくれるようなモノ達との出会いもありました。
これもまた不思議なのですが、
「買い付け前日の日記」で書いた夢に出てきた二台の階段を合わせたような(?)家具がありました!
今まででいちばん忙しかったですが、
すごく楽しかったですし、
それから買い付けとは関係ないのですが、
運送会社さんのある倉庫街が後半、映画のロケで完全封鎖されて
思いがけず大がかりな撮影風景が見れたりと、
思い出深い買い付けになりましたが、
なんだかほんとに、ひと区切りがついたんだろうな・・・・・
次からは他州へも行こうと思います。
そのための色々だったんじゃないかなって。
買い付け紀行、次回からは商品のことなども書いていきますね。
あ、階段のイメージの家具のことも・・・(笑)
それではまた・・・!