アメリカ買い付け紀行/第四話『オレンジ郡とシネマ』
日曜日。
この日からお天気は一転して曇天。
霧がかかるダウンタウンLAを出て、オレンジカウンティへ。
向かったのはアンティークモール。
<元気な多肉植物さんがお出迎え>
規模としては小さいほうなのですが、
毎回楽しみにしている買い付け先のひとつ。
フレンチだったり、宮廷スタイルだったり・・、
Kioの必須アイテムが充実しているのかと言えば
そんなことはぜんぜんないのですが、
各ブースのオーナーさん達の丁寧なバイイングぶりが品揃えにあらわれていて、
いると心地良くなってくる場所。
なんだか、普通にショッピングに来ているときの感覚ですが(笑)、
ここが好きなのはそんな理由。
(ロフトまでびっしりモノの詰まった暗い倉庫でワイルドに買い付けるのも楽しいですが。。)
移動、移動・・の日々の中でのオアシス的なディーラーです。
家具も見つかるときは、積み込む様子を見てお客の男性が手伝ってくれるほどなのですが
(ここはマダムばかりなので)、
買い付けられたのは小物ばかり。
(どうも今回はこんなパターンが多い。。。)
<今回見た中ではいちばん感じ良かったんですけど、惜しいことに傘受けが無くなっていて、
代用品もそう上手くは見つからないだろうと見送ったホールツリー>
「もう一回、見ていったら?」と笑うモールオーナーのマダムに別れを告げて
少し離れた別な町へ。
ここはちょっとした観光地。
いつの間にか晴れてきていました。
ここではサボテンさんがお出迎え。
訪れたのは今度は大型のアンティークモール。
レストランやお土産屋さんが立ち並ぶ通りにあります。
日曜日とあって、大賑わい。
カウンターを任されている女の子、
ちゃきちゃきのアメリカ人って感じの子なのですが、
自分にかかってきた電話に
「私いま、スーパー・ビジーなの!
スーパー・スーパー・ビジーなんだってば!」って怒っていました(笑)
そんな彼女や、他のスタッフにいくつかオーダーを入れ
(彼女はお客さんには親指を立てて「グッチョイス!」とか言ってくれます・笑)、
まずまずの成果が出たことにほっとなりながら
モールのいちばん突き当りのブースに来たとき、
それがありました。
<1800年代後期頃のカップボード>
買い付け前日の日記で書いた「夢に出てきた二台の階段」、
一台はネイビーとダークレッドの配色で、
もうひとつは古い木の質感が前面に出たもの、
その両方を合わせたような雰囲気の家具が佇んでいたのです。
十秒くらいぼーっと突っ立ってから、
次に慌てて状態確認に入りました。
なんかもう買うのは決めていたみたいです(笑)
解説に「映画スタジオの小道具ハウスからの出物」とありました。
「これまで何本もの映画に登場しました」とも。
どんな作品なんだろう。
映画や夢に出たことも嬉しかったですが(笑)、
これはどう使ってもすごくいいと思う、
そんな子に巡り会えたことに感謝の思いでした。
この日は終日オレンジカウンティをまわり、
満載になったバンでLAに戻りました。
フリーウェイを降りて、ダウンタウンのイースト。
もう少し先は運送会社さんがある倉庫界隈です。
しかし日曜は運送会社さんはお休み。
荷下ろしは翌朝です。
前日の土曜から始まった映画のロケ。
けっきょく水曜日まで続き、
その間、倉庫街は完全封鎖。
黄色いテープが張られ、何人もの警官や関係者が立つ
通りの入り口の前を通り過ぎる。
「やってる、やってる!」
巨大クレーンで吊られた照明が、あちこちで見える。
「昨日は中に入るのひと苦労だったけど、明日はどうかな?
もう分かって貰えてるから大丈夫かな?」
バンの中にもひとつ、映画に携わったモノが入っている。
モノも集まったからか疲れもなく、
良い日曜日の夕暮れでした。
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://www.kio-deco.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/70