『まいにちが薔薇色のお茶会』
部屋づくりについてあれこれと考えを巡らせるなかで、
いつも面白いなあと思うことがあります。
たとえば「椅子を買う」という同じ行為でも、
座るものが欲しかったひとにとっては、それで完結してしまうかもしれないことであっても、
ひとつの椅子と出会ったことでイメージが喚起され
部屋をどんどん作り上げていくひとにとっては
それは“始まり”だからです。
もちろんどちらが正しいとか思っているわけではなくて、
行為は同じなのに、「結果と原因」というところで違っているのが面白いと思うのです。
今日はある冊子のご紹介です。
タイトルは『まいにちが薔薇色のお茶会』
これから一人暮らしをはじめる女の子が
ある小さなお店で偶然出会った一枚の絵がきっかけで
自分の“好き”に気づき、
素敵な部屋を作り上げるまでを描いた一冊。
画家の児玉恵理子さんと、
手作り作家の佐伯美穂さん(Kioの古くからのお客さまでもあります)の共著で、
絵と言葉による物語仕立てとなっています。
「主人公のお部屋づくりを通して
自分らしく生きることとは何かを考える一冊」
だと二人は語っています。
そんなテーマを背景に、
描写も色彩も素晴らしく、幸せな気分にさせてくれる絵の数々
(小さな冊子の中に「こんなにも!」と思えるほどの素敵なインテリアのコマがあります!)、
ロマンチックで、浮き浮きさせられるのだけれど、
忘れてかけていたものをときに思い起こさせてくれる言葉、
これらぜんぶがひとつのハーモニーを奏で、
冊子はどこにもないようなものとなっています。
‐自分らしく生きること-
美穂さんは言います、
「この主人公は、私や恵理子さんでもあり、本を手にしてくださるすべての誰かでもあります」と。
主人公の女の子はびっくりするくらいの部屋を作りますが、
自分の“好き”を知っていくことで
そういったことが「大丈夫。出来るんだよ」と、
本は優しく背中を押してくれます。
物語の途中で登場するお部屋は
女の子のイメージの世界でのお部屋なので、ぜんぶ違っていて、
ここもこの本の醍醐味。
(はじめて手に取ったとき、よくここまで・・・・と、思わずにはいられませんでした)
絵と言葉による表現は、
写真で見るお部屋とはまったく違った味わいがあり、
すでにお部屋が出来上がっているひとにも
楽しんでいただける内容です。
私も何度も読むなかで
ときに好きな部屋を眺めるだけのときもありますが、
そのたびに違う発見があって・・・・・
本当いとおしい一冊なのです。
『まいにちが薔薇色のお茶会』
児玉恵理子さんのウェブサイトからもお求め出来ます
佐伯美穂さんのインスタグラム
https://www.instagram.com/romantique_/
児玉恵理子さんのインスタグラム
https://www.instagram.com/ekakimajo/
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