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2019年6月

アメリカ買い付け紀行『トレジャーハンター』

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夫がディスカバリーチャンネルで見つけて

さいきん二人してハマっているアメリカのテレビ番組があります。

 

『廃墟 お宝ハンター』

 

三人組の男性が

廃墟になった工場やホテル、農場の納屋などを回り、

そこからお宝を発掘するという内容。

 

 

三人はペンシルバニア州で活動をしている、

実際のアンティークディーラー。

 

発掘したお宝を時間を掛けて手直しし、

そしてそれらを販売するまでを

すべて自分たちでおこなっています。

 

 

お宝の情報が入ると現場に向かうのですが、

州をまたいでの出張も頻繁です。

 

そうやって出向いても、

交渉の段になって廃墟のオーナーが渋りはじめ、

けっきょく収穫があまり得られないなんてことも多々あります。

 

そんなときリーダーのジェイがカメラに向かっていつも言うのが、

「こんなに時間を掛けてやってきたのに、これでは損をすることになります」

とのセリフ。

 

この番組を見ているとき、

いち視聴者として純粋に楽しんでいる自分と、

ジェイ達と同じ、いちアンティークバイヤーとして共感しながら見ている自分がいます。

 

モノがあまり買えなかったときは、

「せっかくこんなに苦労して発掘までしたのに、可哀そうに・・・・」と

視聴者目線で思ってしまうのですが(笑)、

 

そのあとの「これでは損をすることになります」というジェイのセリフを聞いて、

色々とハッとさせられるんですね。

 

 

廃墟で売れるようなモノを探す。

 

それは何かにとりつかれた男達の夢物語のように見えて

(じっさい、ジェイ達の廃墟の中での様子を見ていると、

探検ごっこをしている無邪気な子供のようなのです)、

れっきとしたビジネスなのだということ。

当然と言えば、当然のことなのですが・・・

 

 

ジェイの姿からは、誇り高いものを感じます。

 

自分も無邪気に、そしていつもシビアな気持ちで買い付けにのぞんでいるだろうかと

(無邪気は大丈夫だと思う。。。)、

この番組のお陰で自問することが出来たのでした。

 

 

 

買い付け紀行と言いながら、

違う記事になってしまいました。。。

 

 

じつは今回、一時間くらいの道のりではあるのですが、

原っぱにぽつんと一軒だけあるディーラーが

野火の延焼で焼失してしまっていたという事態があったんです。

つい最近の出来事だったようです。

 

ディーラーのことを思って、泣けてしかたがなかった。

 

その日はどこへ移動してもモノとの出会いに恵まれず、

それでこのことをどうやって記事にしようか、

それとも辞めようか考えていたときにお宝ハンターの番組のことが頭に出てきて、

話があまり繋がらないのは分かりつつ、

今回の買い付け紀行としました。

 

 

読んでくださってありがとうございました!

 

 

 

 

↑上記の日に買えたもの。
Kioでは珍しい、でもなんだかKioらしい感じのする

アコーディオンモチーフのバーツール・ホルダー。

さいきんcobaの曲ばかり急にまた聴くようになったからか、

「アコーディオンだ!」と、目に飛び込んでくるのの早かったこと(笑)

 

 

 

↑こんな天使が連なったハンガーも買えました。

かわいい!

かなり古いです。

どんなところから出てきたんだろうなあ。。

 

 

 

アメリカ買い付け紀行『ローズボウルフリーマーケット』

かつてはフリーマーケットで全体予算の2割くらいを使っていました。

 

しかし今では

フリーマーケットで出会ったディーラーの倉庫やショップへ直接買い付けに行くケースが増えたのと、

 

以前はどこへ行くよりもソファが多く見つかり「フリーマーケットはそんな場所」との認識だったのですが、

ここ数年で素敵なソファの出物はめっきりと減ってしまい、

 

そんなこんなで、フリーマーケットからだんだん足が遠のきつつあったのですが

(「マダムたちのフリーマーケット」は、主催者の方向性が変わり、残念ながら幕を閉じてしまいました)、

今回、久しぶりにローズボウルに行きました。

 

 

 

 

 

 

ローズボウルとは、LA近郊の町にあるフットボールの競技場。

 

その駐車場を使って第二日曜日に開かれる

南カリフォルニア最大のフリーマーケットです。

 

 

間に川まで流れるだだっ広い駐車場で、

そこにみっしりとディーラーのブースが集結しています。

 

世界中からやって来るバイヤーに、広域から訪れるショッパー。

 

その規模や熱気に、初めて訪れたときは圧倒されたものでした。

 

 

あまりの広さに

買い付け商品を預けたディーラーのブース番号をノートに控えても、

ピックアップのときになかなか見つけることが出来なかったり、

 

ピックアップの順序も上手く組み立てられず、

無駄に場内を行き来して、そんなことに体力を消耗してしまったり、、、

 

 

思い出すと、懐かしい。。。

 

 

 

 

 

そんな新規バイヤー泣かせ(笑)の会場ですが、

山並みが望めたり、バラのガーデンがあったり、

丘のうえに建つ瀟洒な家々が間近に見えたりして、

なかなかの素敵なところであります。

 

家具の搬出だけは大変ですが、

今だと「あともうちょっと広くてもいいかな」、なんて思ったりもします。

 

 

 

 

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さて、バイイングですが・・・、

 

ソファはけっきょく一台も買い付けることが出来ませんでしたが、

箱物の家具が思った以上に集まりました!

 

 

 

 

 

大きい物も小さい物も揃い、

バランスの良い出来高。

 

 

 

 

 

 

そうなってくると決まって、

“何かスペシャルな物”を仲間入りさせたくなります。

 

 

するとあったのです。

こんなピアノが!

 

 

 

 

ピアノの周りを何周もして、食い入るように見て、

ぜったいに買おうと思ったとき、

ディーラーの女性がブースの奥から現れ、

手に持っていた紙をぺたりとピアノに貼りました。

 

見ると「SOLD」の文字!

 

「え!いつ売れたの?!」と訊くと、

「今」だと言います。

 

私の他に見ているひとはいなかったのに、

今ってどういうこと・・・!?

 

「あなたより前に気に入ったひとがいてね。ホールドになってたのよ。

今電話があって売れてしまったの。ごめんなさいね」

 

縁が無かったというのは、こういうことなのか。。

 

だけどこんなのは後にも先にも、見つからないだろうな。

そう思うと、さすがにショックでした。。。

 

このブースの前をもっと先に通っていれば、買えていたかもしれない。

やっぱり会場、広いですね。。。(笑)

 

でも見れて嬉しかった!

 

 

そして、ローズボウルに来て良かったです!

 

 

 

そういえば今回いちばん感じたのが、

古着のセクションが再び勢いづいていたということ。

 

流れとして、次に家具にそれが飛び火すると思うので、

これからまた楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行『セコイアの森にほど近い町での出会い』

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サンフランシスコのベイエリアへ行く前日は、

SFとLAのちょうど中間に位置する町での買い付けでした。

 

 

内陸にある町で、

前にも来たことがあるのですが、

どうだろう・・・10年ぶりくらいだろうか。

 

 

当時と今とではKioの主力アイテムも変わっています。

 

「今行くと、前よりもっと集まるような気がする」

 

記憶を辿りながらそう思い、

そして直感のようなものも働いて・・・・、

久しぶりの訪問となりました。

 

 

デイーラー達が一様にお喋りだったので、

その印象ばかりが残っていて、

町はどんなだったか・・・よく覚えていなかったのですが、

 

ヨセミテやセコイア国立公園にほど近い町とあってか、

レストランにしても、銀行にしても、ホテルにしても、

背後にヒマラヤ杉を携えたロッジ風の建物が目立ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディーラーはほとんどが健在でした。

 

そして彼らのアンティークモールやウエアハウスの中の印象も変わっていなかったのですが、

予想通り、今回は買い付けられる物が多いのです。

 

 

 

 

 

 

あるモールでは、たくさんバイイングする私の様子を見て、

「ローズボウル(次の日曜日のフリーマーケット)に持っていく物をトラックから降ろしてきたよ」と、

すっかり積み込みが終わっていた商品をわざわざ見せてくれたオーナーもいました。

 

「ありがとう。でも私もローズボウルに行くんだったのに・・」と言うと、

「ええ?!」と驚かれ・・。

 

どうやらこの町の住人だと思われていたみたいで、

モールのレジを任されているオーナーのお母さんにも

「あなたはデザイナーのお仕事をしてるの?」と、会計のときに訊かれました。

 

 

10年ぶりだものね・・・

 

次回からもこの町はコースに入れていこうと思うので、

ここのディーラー達との信頼関係作りは、また一からですね。

 

 

 

フレンチスタイルの物を多く扱っている新しいディーラーも見つかりました。

かなり嬉しい出会いです。

 

 

 

 

 

フロレンタインのこんなベンチも買い付けました!

 

初めて見る品です。

 

 

 

 

 

サンフランシスコの古いお屋敷やホテルからの出物もあり、

とくに建具などは圧倒されるほどの風格や存在感がありました。

 

 

 

 

 

ハリウッドのディーラーのところで見かけるようなベッドもあったり。

 

 

 

 

 

 

 

こんな実物の馬と同じくらいの大きさのカルーセルも。

 

(ベッドもカルーセルも買い付け商品ではありません)

 

 

そのうちに感動が押し寄せてきて・・・・・・

 

こことまったく同じような品揃えになるということではなくて、

私がここで味わったのと同じような気持にお客さまにもなっていただくには

Kioはどうなっていけば良いのだろう・・・とか、

 

この何か揺さぶられるような感じが

やっぱり私は好きだ・・・とか、

 

色んなことをいっぱい思いました。

 

 

 

この町に来たのはほんとうに正解で、

あまり振るわなかった翌日のベイエリアでの買い付けを

じゅうぶん補ってくれるに値するほどでした。

 

 

 

 

この町では前夜とこの日と、合わせて二泊。

 

ホテルに戻り、ヒマラヤ杉の木立の向こうに陽が沈む様子を眺めていると、

空がぴかっと光り始めて、そのうちに雷鳴が。

 

雷の音はどんどん大きくなって、風も吹いてきました。

そして雨が降り出し、夜になる頃には嵐のような天候に。

 

ヨセミテやセコイアの森が近いことが思い出されて、

自分はいったいどうして今こんなところにいるんだろう?って、

とても不思議な感覚になったのでした。

 

 

 

心配していた雨も朝にはあがっていました。

 

フリーウェイからの眺めは、ほとんどが農場と牧場。

 

そんな道を二時間半かけて走り、

次なる目的地、ベイエリアに移動しました。

 

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