アメリカ買い付け紀行『お宝ハンターとの出会い』
内陸の町から帰った翌日は、
LAから一時間ほどの町へ。
「マダムたちのフリーマーケット」で知り合ったディーラーたちのウエアハウスが集う界隈もあり、
彼女らお得意のフレンチでシャビーな品揃えにもですが、
夢やパワーがいっぱいのマダムたちに会えるのが嬉しくて、
このところの買い付けではいちばん楽しみにしている町。
「買い付け前日の日記」で、
テキサスにサルベージに行ったマダムがいると書きましたが、
彼女がいるのもここ。
正確には、あるアンティークモールに間借りをしています。
まずそのモールへ向かいました。
今回はここでの出来事に焦点をあてたダイアリーです。
しかし彼女のブース、
確かにインスタグラムに投稿されていたテキサスでの戦利品があるにはあるのですが、
申し訳程度というか、
これはブースの内装なのよ・・と言わんばかりの量なのです。
彼女もいませんし、
モールのオーナーもこの日はお休みを取っていて、
事情の分かるひとはいませんでした。
おかしいなあ・・・・・
期待が大きかっただけに気持ちがしぼみましたが、
それでもモールには素敵なアンティークやビンテージが沢山で、
いつも通りの感じで、良い買い付けが出来ました。
↑集まったモノのいちぶ
買い付けアイテムたちをモールのみんなと一緒に積み込み始めたところに
ピックアップトラックに乗って二人組の男性がやって来て、
こちらに気づくと、「任せて」と言って私たちに代わり(何しろ女性ばかりだったので。。)
手慣れた様子で残りの品々の積み込みをやってくれました。
そして積み込みが終わると
トラックの荷台から古びた板片を二枚を持ってきて、
「こんなのもし好きだったら、あげるよ」と言うのです。
100年はとうに経っているかと思われる、古い古い板。
風や雨ざらしにもなったようで、灰色に変色をしていて、年輪がすっかり浮かび上がっています。
好きじゃないひとにとってはたぶんただの廃品にしか見えない板・・・、
でも私にとっては宝物です。
嬉しくいただきました。
でもこのひと達、ここでは会ったことないけど、誰なんだろう?
今度新しくブースを出すディーラーなのかな?
そう思っていると、
「テキサスの古い納屋を解体した時に出てきた壁の板のほんの一部なんだ。
これと同じのがあと2000枚、倉庫にあるんだよ」と。
2000枚にも驚きましたが、
あれ?、テキサス??、と・・・・・。
そして次に、
「こんなのもサルベージして来たよ」と言って、
スマートフォンの画像を見せてくれたのですが、
その画像に写っているモノ達、どれも見覚えのあるモノばかり・・・・
「もしかして、Mの・・・・」
そう、彼らはテキサスに行ったマダムMの旦那さんとその相棒だったのです。
どうやら戦利品のほとんどは倉庫に置いてあるのだそうで、
(モールにはいちぶだけ展示して、月末に倉庫で販売会をするのだと言っていました)、
「いつでも倉庫に見に来てくれていいよ」との嬉しい申し出。
倉庫は農場の納屋を再生したもので、
広い敷地には昔のガスポンプがずらりと並んだ様子が画像に写っていました。
マダムMがここまでの規模でやっているとは想像もしていなくて
(インスタにも倉庫の写真はなかったので)、
思わぬ展開に飛び上がったのですが、
彼らの倉庫はこの町からけっこう離れており、
そこまで行って買い付けをするには、あらためて出直す必要がありました。
以前のダイアリーで、
「廃墟お宝ハンター」のジェイ(アメリカのテレビ番組)のことを書いたことがありました。
Mと旦那さんとその相棒は、まるでジェイのチームそのものでした。
サルベージのお話ももっといっぱい聞いてみたかったし、
それらが今眠る古い納屋がどんなだか見てみたい気持ちでいっぱいでしたが、
しかし、あとの日程はどうにも変更がならなくて、
「じゃあまた今度」ということになったのでした。
買い付けも15年目に突入しましたが、
毛色の違うルートが増えてこれからがまた楽しみですし、
なんだかとても面白いところ(国)で買い付けが出来ているんじゃないかなって、
あらためてそんなふうに思えてきました。
↑マダムMのブースの一角
ミラーを嵌め込んだ大窓もテキサスからのサルベージ品
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://www.kio-deco.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/190