2020年3月
買い付けのこととか、色々なこと
色々なことが起こっていますが、
皆さま、どんなふうにお過ごしでしょう。
お元気でいらっしゃいますか。
こちらはいつも通りに店を開けています。
こういった商売柄、
名古屋にいたときからもそうでしたが、
数えきれないほどのご来店者数といったことにはなりませんので
(大須商店街でやっていた時に、何かのお祭りでそんなことになった日があったなあ。。)、
変わらない感じで仕事をしています。
商品がとても評判が良くて
すぐにでも買い付けに行きたいのですが
(先回が12月だったので、ちょうどそんな時期ですし)、
渡米が出来なくなってしまいました。。。。。
予定を立て始めた頃は
日本からの入国が規制されるのでは?と
心配の内容はそんなふうでしたが、
ほんの少しの間に状況は一変、
まさかカリフォルニアで外出禁止令が出るなんて。
向こうの運送会社さんやディーラー達が
メールやSNSで現状を伝えてきてくれています。
外出禁止と言っても、
犬の散歩やジョギングなどは出来ているみたいですし、
運送会社さんも少人数体制で私達日本の顧客のご用をうかがってくれています。
でもたとえばアンティークモールなど
店舗として営業しているディーラーは休業をやむなくさせられていて、
SNSにショップツアーの動画やスライドショーを流し、
「気に入りが見つかったら連絡してね」とキャプションを添えて
毎日のように投稿を続けています。
これまでお世話になった彼らに何とか応えたいですが、
Kioを始めてからずっとこれまで、
現地に行って自分の目で実際に見たものだけしか買い付けてこなかったので
代替えの方法で品揃えすることに今はまだ躊躇しています。
こんなふうに補充が難しいですが、
幸いなことに在庫はまだまだあります。
それこそ、これまで新しい商品が入ってくる都度、
後回しにされていた“要メンテ”の子達・・・
張替えが必要な椅子など手間のかかるものもありますが、
塗装のことが大方なので、
入荷が無いうちに、この子達を再生させてあげようと思っています。
それに、ほんとにこれは自分を叱ったことなのですが(笑)、
「無い、無い」などいつも言いながら、
見回すと素敵な小物達が「私達も早くHPにアップしてよ!」と訴えてくるではないですか。。。
(店頭は家具が主役になるように展示しているので、小物達は色どり役に見えてしまってるんですね。。
実際に店にいらしたことがある方なら、お分かりいただけているかと。。。)
終息するまで、これらの作業をやっていきます。
(ああほんとに、この作業をしている間に、
世の中を息苦しくしているコロナが終息してくれたら・・・・!!)
朝起きたりすると、つい色んなことを思ってしまいますが、
それでもこうやって好きなものに触れていると、幸せな気持ちになります。
ここまで好きだったんだなって、今さらながらに分かったりもして・・・・
買い付けのことを心配くださるお客さまもいらっしゃるので
いちどダイアリーに書いておこうと、
Kioのことばかりになりましたが、今日はこんなところで・・・・・
読んでくださってありがとうございました。
皆さま、がんばりましょう。
そしてどうぞお元気でお過ごしください!
鍛金作家さんさんとの出会いと、フィレンツェの工房のお話しを少し。
フィレンツェの銀工房で
金属伝統工芸を習得された作家さんがKioにいらっしゃいました。
「なんだか懐かしい」
イタリアの・・そしてフィレンツェのビンテージやアンティークが多いKio店内を見回して
彼女は嬉しそうに何度もそう言っていました。
同時に工芸作家さんらしい眼差しで
家具や鏡の枠などにほどこされた装飾を見ていました。
「アカンサスがやっぱりすごくきれいに出来ている」とおっしゃいます。
アカンサスとは、
古代ギリシャの建築などに装飾されている
流れるようなフォルムをしたリーフモチーフのこと。
インテリアだと、椅子やキャビネットや鏡のトップにいちばんよく装飾されています。
装飾の中でもっとも好きなモチーフですし、
なかなかアカンサスのことをおっしゃる方はいないので
私も嬉しくなってきました。
そしてこんなことを教えてくれたのです。
「こんなに美しいのは、作るときに黄金律を使うからなんですよ」と。
アカンサスに限らずですが、
「美しいものは、すなわち黄金律」だと
長年ずっとそう思ってきました。
思う・・というよりも、そういうことなのだろうと。
けれど私は、工芸に携わっているひとには黄金律がもとから備わっていて
それで彼らが手掛けるものは自然と美しくなるのだと思っていたんです。
だから、黄金律を道具として用いるということが驚きでした。
「黄金律がもとから備わっているわけではないのか」と思ったからではなく、
そこはもう通り過ぎて、
むしろ反対にそうやって完全を生み出そうとする姿勢が感動的でした。
「もちろん中には最初から黄金律を持ってる職人さんもいるけれど、
やっぱり全員がそうじゃないから」と、作家さんが補足してくれました。
「タイムマシーンがあったら、昔の家具工房や工芸品のアトリエを見てみたい」
よくお客さまや家具職人さんとそんなお話しになります。
中でも私にとってのトラベル先は、やっぱりフィレンツェです。
フィレンツェで学んだ鍛金作家さんがふいに現れて、
長年頭の中にあったこと・・黄金律のこと・・をぽーんと語っていかれた、
なんだかこれもトリップみたいで、
今日は面白い日でした。
出会った作家さんについては、
きっといつかこのダイアリーでご紹介出来るときがあると思います。
作家さんを連れて来て(ふいに・笑)くださったじゅんこさん、
そして作家さん、
どうもありがとうございました!
ミモザの日の夢
インテリアのスタイリストをやっていた頃、
あるテーブルコーディネーターさんが手掛けた四季折々の美しいテーブルを綴った本に出会い、
「テーブルコーディネートに特化したスタイリストになりたい!」って
思っていた(かなり真剣に・笑)時期がありました。
本は友達にプレゼントしてしまったので
(「また買えばいいや」と思って。しかしそれっきり書店で見かけなくなり。。)、
どんな画だったかはっきりと覚えてないのですが、
春のテーブルには鮮やかな黄色のミモザが登場していました。
今日はミモザの日。
それにちなんで・・というのもあるのですが、
実は今日の夢にお会いしたこともないそのコーディネーターさんが出てきたんですね、
それでこんなことを書いています。
夢の中で私は
古伊万里のお皿を並べるその方の手元を手伝っていて、
そのうちにその方のことを「あきさん」と
下の名前で呼ぶようにまでなるのですが(出世が早いがそこは夢。。)、
当のあきさんに「どうしてここにいるの?」みたいなことを言われてハッとなり、
そこで目も覚めて、
夢の中でもかなり違和感を感じていたみたいで、
胸をほっとなでおろす・・・といった内容でした。
あきさんの本でいちばん好きだったのは、
富良野のラベンダー畑でのテーブルセッティングで、
何本も灯されたキャンドルと背景のラベンダーの、
うっとりとするような饗宴でした。
どれもが大人っぽい写真ばかりだったなあと、
本の記憶を頼りに私も大人っぽく、でもKioらしく・・・、
ミモザを使った一枚を。