Kioの夏時間
梅雨の晴れ間。
からっとして、光りも白く眩しく、
今日はまるで梅雨明けのような一日でした。
それで朝は、子供の頃の夏休みを思い出していました。
私は午前中の時間がとても好きでした。
家の中でいちばん涼しい部屋は座敷だったのですが、
ラジオ体操から戻って、朝ご飯を食べ終えると、
宿題をかかえて日の光の入ってこない座敷に移り、
「夏休みの友」に向かう時間が好きだったんです。
集中して宿題に取り組んだ記憶はあまりありませんが(笑)
ふすまを開けた座敷からは玄関が続いていて、
開け放った玄関扉から見える夏の庭を
ただぼんやりと眺めていたものです。
海のことや、そこにぽっかりと浮かぶ大きな船のこと、
空にもくもくと出ている雲のことを思うときもよくありました。
家のほの暗い一室にいながら
果てしなく続く世界のことを思うのは素敵な時間でした。
今日はお休み。
外に散歩に出ました。
爽やかだったのですが、
さすがにしばらく歩いていると暑くなってきて、
たまに止まっては、道の脇を流れる小川に手をひたして(気持ち良かった!)、
ゆっくり散歩しました。
すると白っぽい花のにおいがしてきました。
辺りを見回しても、そんな花らしき姿は見当たりません。
この間まで栗の花が界隈でたくさん咲いていたけど、
それももう終わったみたいだし・・・・・
でも、においは確かにしてきます。
「あれ?・・・もしかして、おまえなの?」
田んぼの土手に咲いているヒメジョオンの、
群れというには遠慮気味な、でも群生。
近づいてみると、やはり漂っていたのはこのにおいでした。
散歩から戻って、スコーンを焼きました。
夏は私にとって、
いちばん静寂な時間が流れる季節です。
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