アメリカ買い付け紀行「復活祭が近づくころに」
↑買い付け三日目の朝。
だんだん迫りくるレイクアローヘッド。
移転したり、縮小したり、
中にはオーナーチェンジや閉業をしていたり・・・・・、
今回の買い付けでは、
ディーラーに多くの変化が見られました。
頻繁に買い付けるようになって久しいフレンチ系のディーラーも、
そのうちのひとつ。
昨年の夏、彼らからニュースレターが届きました。
それは大家さんから「10月までにここを明け渡してください」と突然立ち退きを強いられ、
あと二か月しか猶予がなくなったことを告げる悲しい知らせ。
「アンティーク屋」と言うよりも、
「アンティークで作り上げた世界」と言ったほうがしっくりくるような、
そんな、
オーナーの情熱と、
熱が伝搬したブースオーナー達とで築き上げられた空間。
それがなくなってしまうなんて・・・
規模拡大リニューアルしてまだ数年という背景もありましたので、
みんなの気持ちは如何ばかりかと思いましたし、
再建が心配でした。
ところが彼らはすぐに新たな場所を見つけて、
またたく間に再建に漕ぎ着けた・・・・・!
そこに訪れるのも、今回の楽しみのひとつでした。
そこそこ古くに建てられたレストラン跡なのかな?
踏み固められて、磨きもかかったテラコッタの床と、
アーチがいくつもある天井と、漆喰の壁。
スペイン風の瀟洒な内装でした。
でも前と比べると、広さが半分くらいに。
やむを得なかったんだろうな。
それよりも近くにいい場所が運よく見つかって、
すぐに再建して、すごいと思った。
素敵な空間も健在!
オーナーはあいにく留守でしたが、
ブースのひと達もとても楽しそうでした。
残念だったのは、買い付けたい品に出会えなかったこと。
でもみんなからエネルギーをいっぱい貰いました。
↑あ!と声があがったものの、柱の大きな傷が気になって見送ったハッチ。
傷も含めていいと思えるものも沢山あるのですが、この傷はどうしても。。。
↑イースターが近かったので、色んなところでウサギが。
このあと行ったディーラーは、オーナーチェンジ。
チェンジ直後だったみたいで、ちょうどオープン準備中とのこと。
また買い付けが出来ませんでしたが(笑)、
一軒目では良い成果が出ていたので!
↑一軒目を終えて、積み込みの巻。
違反の場所に、いちおうディーラーのお墨付き?を貰って一時停車。
しかし背後の建物は、要人も泊まりにくるホテル。
早速おまわりさんがコンビで近づいてきて焦りましたが、
アンティークのピックアップですと言うと、すぐ理解して手を振って立ち去りました。ほっ。
さて、お話しが前後しますが、
前回の買い付け紀行のさいごに書いたオレンジ市では、
2005年・初回からの馴染みのカントリー系ディーラーが、
場所は変わっていないのですが、規模縮小で、
半分くらいの売り場になっていました。
三年ぶりに会うオーナーの娘のケイティが
「わーーーお」と声を張り上げて駆け寄ってきてくれました。
ケ「さいごに来たのいつだっけ?」
私「三年くらい前」
ケ「それじゃあ空間が小さくなってから初めてだよね?」
私「うん」
ケ「ね!ね!小さくなったでしょう!」
それが嬉しかったことみたいに、高らかに言うケイティ。
すぐは面喰らいましたが、
「ゆっくり楽しんでいってね!何かあったら声をかけてね!」と、
ほんとうに生き生きとしてて。
そんなケイティが愛おしくなりました。
小さくなったけれど、空間は相変わらずで、
新しいブースオーナーが入ったのか、インテリア本のページを開いたような一角もありました。
ゲートレッグテーブルを買い付け。
今回はこれ一台。
「これだけなのお!」と、満面笑顔で怒るケイティでした。
この善い人たちのビジネスが、
これから先もながく続きますようにと、
色々な行き先で願った今回の買い付けでした。
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