ビンテージ&アンティーク家具「Kio」の日記
アンティークを通して見えてくるもの
量産されたモノへの疑問が子供の頃からありました。
もちろんすべての量産品に対してではありませんが、
「量産されて、やがて使い捨てにされていくモノ」
「流通している数ですればとても多いのに、
そのどれもが画一的で、選択の自由がほとんど無いモノ」
何故そんなモノばかりが売られているのだろう?
売られるようになったのか?
いつも疑問でした。
「“引っ掛かり”の無いモノ」も、つまらないので嫌いでした。
だけでそういったモノ達が
“安全”“安心”の名のもとに、どんどんと主流になっていく。
たとえば、タイルひとつを取ってみるとします。
私が子供の頃には
色も形も取り取りのタイルが無数にありました。
いつまでも眺めていられて、楽しかったです。
それがいつの間にか、均一的なモノへと変わっていった。
防火や抗菌のためだと言います。
生活を守るための基準なのでしょうけれど、本来的にそれほどまでに大切なのかとも思う。
また、コストのためだとも言います。
規格外でモノを作ると、売値が物凄く高くなり、
それでは誰も買えないからと。
もちろん意味は分かるし、
それ自体が悪いことだとも思わない。
でもそれがすべてに対しての良いことなんだろうか?
そうやっていくうちに、
社会は全体主義になっていってしまうのではないか?
全体主義の行きつく先は・・・・・??
「楽しいから」「目に心地いいから」「癒されるから」・・・・
これまでこんなことを軸にして
アンティークを語ってきました。
でも、それと同じくらいに、
私をアンティークへと向かわせる背景には
うえに書いたような疑問や考えがあるんです。
もう少し煮詰めてからにしようかと思いましたが、
なんとなく今日アップしておきたかったので
書いたところまでの記事としました。
読んでくださってどうもありがとうございました!
また今度はアンティークを通して「シンプル」を考えたことを
記事にしてみたいと思います。
久しぶりの買い付け
アメリカの同じ地域で買い付けをしているバイヤーさんで
「卸売り」を営んでいる方がいて、
年にいちどくらい、現地の運送会社さんでばったりお会いする機会があります。
インダストリアルがお得意で、
運送会社さんの倉庫には珠玉の工業系アイテムが毎回集結。
個人的には大好きなアイテムですが、
Kioのバイヤーである私の視線は、
インダストリアルの山に時おり見え隠れする
フレンチ風の家具や、クラシカルなランプにいつも注がれておりました(笑)
さて・・・・・。
買い付けに行けないまま、ついに一年が経ちました。
在庫の見直しが出来たことを良しと思える一年でしたが、
買い付け再開目処はなかなか立たず、
(ロサンゼルスの入国後2週間の自主隔離が免除になったので
踏み切ろうかと思った矢先の再度ロックダウン、、、、、)
商品補充をどうするのか、
決めていく必要がさすがにでてきました。
そんなとき頭に浮かんだのが、前述のバイヤーさん。
倉庫での記憶に期待を込めながら、
電話アポを取り、
この間の木曜日にお邪魔をしてきました。
その方も同じく買い付けに行けていないので
在庫不足とのことでしたが、
Kioのために残ってくれてたんじゃないかしら!と思えるようなアイテムを、
けっして多くではありませんが、買い付けることが出来ました。
昨日HPへアップをしたグラスペンダントランプもその時のものです。
これからぼちぼちあげていきますし、
店頭にも並んでいますのでよろしくお願いいたします!
少し商品補充が出来たことも嬉しかったですが、
そのバイヤーさんの倉庫が、
雰囲気とか、明かりの感じとか、においとか、
アメリカのディーラーのウエアハウスそのもので、
現地の空気を久しぶりに吸ったような感覚になれて、
それもすごく嬉しかったです。
Kioも、お客さまからもときどき、
「外国のお店に来たみたいな感じになります」
と言っていただくのですが、
そう言ってくださっているときの気持ちが良く分かって、
そんな気持ちにも寄り添っていけるようにしていかなければと思えた『久しぶりの買い付け』は、
大収穫だったと思います。
ウインドベル物語
エントランスのところにある「ショーケース」も
以前と比べて賑やかになりました。
こんな大きな三角錐のベルも仲間入り。
農場からの出物とのことで、
70-80年くらいは経っていそうです。
八年くらい前のフリーマーケットで
ペンダントランプを買い付けたディーラーの足元に
無造作に置いてあるところを出会いました。
何だか分からなかったので見ていると、
「これ?これは素晴らしいんだよ!」と言って、
ディーラーはその“塊り”を重たそうに持ち上げて
テントのポールに引っ掛け、
ハンドルを振りました。
すると鳴り響いたのは、
見た目からは想像出来ないような厳かな鐘の音。
見た時には買うだなんてまったく予想もしていなかったベルだったのに
後先考えずに決めてしまいました。
天井への取り付けは、アイボルトを使って上手く出来ましたが、
しかし、店内の雰囲気に馴染みませんでした。。。
(外には吊り下げる場所はありませんでした)
そうこうしているうちに、移転計画が持ち上がり、
ベルは「その時」を楽しみに、寝かせておくことに。
そして今の場所が見つかり、
ようやくベルが取り付けられることになりました。
場所は玄関の軒下。
良く似合うだろうなと楽しみでした。
ところが引っ越してきて二日目の夜、
寒い季節特有の白山町の強風にさっそく見舞われ・・・。
まるで台風のような風の唸り声を聞いていたら
ベルは軒下になんてとても無理だと思いました。
そして「ショーケース」もまた然りだろうと。
こうして吊り下げが断念されたベルでしたが、
なんだか意地になった私によって
ディーラーがやっていたように直置き状態で「外」に居続け、、
気がついたお客さまに音を聞いていただいたりなんかもして、
それなりに楽しい存在になっていました。
そして今夏。
植物も飾って賑やかになったショーケースを見ていたら
封印していたベルの吊り下げをどうしてもやってみたくなりました。
試すだけでもと思いやってみると、
これがすごくぴったりなのです。
ちょうどお盆の頃で、
鐘を打つたび、天国にいる祖父母や愛猫さくらにも
音色が届いているような気がしました。
角にあるスリットの長さのせいなのでしょうか、
三枚のパネルは、ぞれぞれ異なる音を奏でます。
いよいよ外したくなくなり、
とりあえずそのまま下げておくことにしました。
二度三度ほど、森の木が大きく揺れるような風が吹きましたが、
ベルは大丈夫でした。
ここならいざとなったらすぐに外せます。
この場所がベルの定位置になりました。
お客さまにも好評です。
エントランスで滞在される方も増えました。
ときどきゴーンゴーンという音がして
しばらくしてから扉が開いて
お客さまが入ってこられることもあり、
そんなときは嬉しくなります。
ゴーンと鳴ったのに誰も入ってこないことがあり、
「?」と思っていると、
赤いバイクが去っていくのが見えました。
どうやら郵便配達のひとが
郵便受けの上にあるベルに当たってしまったみたいです。
ごめんなさい!
郵便受けの位置だけ替えなければ。。。。
反対側のショーケース
(アイビー、今はベルのほうにいます)
コテージルームからの眺めと、お知らせ
8月10日(月・祝)から20日(木)まで
夏季休業とさせていただきます。
オンラインショップからのご注文は随時承っておりますが、
発送は21日(金)からとなります。
大変ご不便とご迷惑をお掛けしますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
休みの間は、また店づくりをおこなう予定です。
エントランスとカウンター。
お客さまに入っていただくところと、
お会計をしていただくところ。
この大切な二つの箇所を、
もう少し楽しい雰囲気に、
そして快適に感じたり使っていただけるようにしたいと思っています。
エントランスは、扉の前にショーケースみたいな小さな空間があり、
サファリブラウンにペイントして、ガーデン雑貨を少し置いているのですが、
このショーケース付近、まだまだ殺風景だからか、
今だと手指消毒液のボトルがいちばん目立つ存在になっているので(笑;)、
ここにも植物を飾るなどして、お客さまのお出迎えにもっとつとめたいですし、
カウンターは、もともとあった飲食店時代からのものをペイントして再利用しているのですが、
ここをがらりと変えたいのです。
あとは余裕があれば、
この間の営業自粛期間中に作業を進めていて
いちぶ塗り残しがあった天井の塗装も仕上げたいと。
本当は床も造作したいし、
壁もリメイクしたいところが色々とあるし、
挙げればきりがありませんが、、、
今回は「気持ち良く」をテーマに取り組もうと思います。
画像は、コテージルームからの眺め。
買い付けに行けてないので店内もモノが減りましたが、
その代わりに窓外が良く見えるようになりました。
するとこの眺めをお客さまがすごく喜んでくださるんですね。
(実は私もそうで、今日は定休日なのでPCをコテージルームに移動させてこれを書きました・笑)
総合的に楽しい店を目指したいです。
もちろんゆっくりする日も作ります。
急に川に行きたくなり(しかもまだ行ったことのない川)、
この間から川のことばかり考えているので(笑)、
前からずっと行きたかった三重県南部にある清流に行ってみようと思っています。
だんだんとりとめがなくなってきそうなので、
この辺にて・・・・
皆さまもどうぞお元気で良い夏をお過ごしください。
アンティークモールとシャモアピンクの夢
今日、面白い夢をみました。
関東のお客さまのところを初めて訪ねていったら、
大きなアンティークモールだったという。
敷地には、夢でしかありえない鉄塔ほどの巨大なウィンドミルがあり、
それをコの字に囲んでモールが建っています。
〈写真は過去の買い付けからのイメージです〉
モールは一階建てで、
アメリカの50年代のモーテルのようなレトロモダンな佇まい。
アメリカでもあまり見ないような、アメリカ色の濃いモールでした(笑)
ほとんどがジャンクやインダストリアルを扱うブースの中、
ひとつだけシャモアピンクをまとった家具ばかり並べた空間がありました。
入ってみると、家具は19世紀の納屋にあったような素朴なものばかり。
糸巻機みたいなのもありました。
どれも小ぢんまりとしていて、線がきれいで、田舎風なのに上品で、
そしてピアノのような塗装の薄いピンクにペイントされているので、
ものすごくかわいいんです。
中でもシェーカー風のチェアが素敵でした。
ちゃんと値段もついていて、2万5千円でした(笑)
それを宝物と出会ったように大喜びで買って、
Kioで売ってもいいですか?とお客さまに訊ねたところで
目覚ましが鳴りました。
寝ぼけていたのと、あまりにいい夢だったせいか、
「あれ?椅子は・・・!?ちゃんと持ってきたんだったっけ・・・・」
と、一瞬(笑)
よほど買い付けに行きたいのかな(笑)
もっと模索も出来るよ、との暗示でもあったのか・・・・・・
(ちなみにお客さまは、コーヒースタンドのブースも併設されていたり、
お父さんとおじいちゃんもモールで一緒に働いていて、素敵だなあと思ったのでした。
もちろん夢の設定で、お客さまはそもそもアンティークのご職業ですらありません。。)
ああでも、ほんとにいい夢だったなあ。
がんばろうって思う気持ちが
さらに増しました。
買い付け再開に向かって
今日から七月。
一年も半分過ぎたのですね。
二月から五月は信じられないくらい長く感じましたが、
六月は反対に、ものすごく早かったです。
店の営業再開からは、一か月経ちました。
この間、敷地の手入れをしていると、
脇の小道を走ってきたパトカーが、こちらに気づいて止まりました。
窓が開いたので近づいてみると、
乗っていたのは、近くの駐在所のおまわりさん。
新任のときにKioにも巡回がてら立ち寄ってくださったことがあります。
何かあったのかな?
ちょっぴり緊張する一瞬。
するとおまわりさんから発せられたのは、
「お店再開されたんですね。良かったですねえ」との声。
休んでたのを知ってくれてたことも嬉しくて、
「はい!ありがとうございます!」と、張り切って返事をしてしまいました。
二か月近くだったし、
家具屋は休業補償もないので心配してくださってたみたいです。
お客さまや周り以外でも
見守ってくれているひとがいるのだな。
買い付けのことでも色々な方からご心配いただいています。
ありがとうございます。
今のところも、前に書いたダイアリーと同様で、
在庫ではまだ困る事態にはなっていないです。
どんなに状態が良くても、
どこかしらには手を入れる箇所があるのがビンテージやアンティーク。
そうすると、少人数ということもあり、
その工程が大きいものほどどうしても後回しになってしまいがちで・・・・
なので意外とまだ大型家具などありますし、
そんな家具のアクセサリーのようになっていた小物類もあったりします。
ひきだしからも、エプロンやカーテン、クロスやキルトなんかが出てきます。
あとアクセサリーも。
商品として買い付けたのですが、
売り場を作るにはまだ数が足りず、
HPに載せるにも他の商品ページと毛色が合わなくて
なんとなくストックになっていました。(ごめんね。。。)
ただいま洗い直したりしており、
ある程度まで仕上がったら、店頭やHPでも売り場を作ってお披露目していこうと思います。
こんなふうにモノに再び光を当てるような時間が持てたこと、
そして営業自粛や買い付けに行けないことで、店づくりに費やす時間が持てたことは
それはそれで良かったと思っています。
とは言え、何とか秋くらいには行きたいところです。
ディーラー達もビジネスを再開し始めているので
出来ることなら今すぐにでも飛んで行きたいのですが、
アメリカ入国後と帰国後にはそれぞれ二週間ずつ自主隔離をしなければならないとなると、
感染の問題はそれで大丈夫かもしれなくても、
なかなか現実的ではないですね・・・・・
(今、奈良美智さんが個展開催のためにLA入りされていて、
少し前に二週間のステイホームを終えられたところなのですが、
Twitterから毎日される発信を、関心深く見させていただいています)
長くなりましたが・・・・・
今月もどうぞよろしくお願いいたします!
世の中が良い方向に向かう月でありますように。
実店舗の営業を再開いたします
実店舗の営業が長らくお休みとなりまして
大変ご迷惑をお掛けいたしました。
また、ご理解もいただきましてありがとうございました。
5月30日(土)より営業を再開させていただきます。
それに際していくつかご案内があります。
まず営業時間ですが、
しばらくの間、11時から17時までとさせていただきます。
(ネットショップでのメールやお電話でのご対応は、
通常どおり11時から19時までおこなっております)
営業日はこれまで通りです。
水曜木曜が店舗の定休日です。
スタッフはマスク着用とさせていただきますのでご了承下さいませ。
また、定期的に店内の換気をおこないますので、こちらもどうかご了承下さい。
なかなか不行き届きの部分があるかと思いますが、
以前よりもゆったりとした店内に模様替えをいたしました。
楽しくご滞在いただけましたら幸いです。
それではまた皆さまにお会い出来ることを楽しみにしています!
まだまだ気の抜けない日々ですが、
どうぞご自愛のうえ、お元気で毎日をお過ごしくださいますように。
グリーンとブルー
いま、空がきれいになっているって、
色んなところからそんな声が聞こえてきますね。
今年の緑はいつも以上にきれい、
そんな声もまたよく聞かれます。
本当にそうだと私も思います。
ここは里山なのに、
それでも今年は空も緑もいつにも増してきれいって感じます。
それどころか、びっくりするほどきれいと思うときもあります。
これまではしばしば、
「なんだか目が悪くなったなあ」なんて、
かすんだ視界によくそうやって思うことがありました。
実際に少し悪くなっているので、その実感は確かなことでもあるのですが、
けれどいま思うと、ただ大気がかすんでいただけとうことも多かったんですね。
ところが今年よく思うのが
「目が良くなったのか?!」という感覚(笑)
私ほど空や景色を見ない夫も
「なんかすごいね」と言って、
磨き上げた銀器でも見るように
窓外の景色に大きく目を見開いています。
飛行機も少なくなりました。
昼間は飛行機雲も前みたいに見つかりませんし、
家のなかにいても、飛行機の飛ぶ音が前ほど聞こえてこなくなりました。
毎日深夜、
ベッドに入って、ナイトテーブルのうえのランプを切って、
うとうとし始めると、
ちょうどそんなタイミングで、
ゴォォォォ......と、
はるか上空を飛んで行く飛行機の
くぐもった音が聞こえてきて、
それに耳を傾けるのが好きでした。
そんな音がここのところは聞こえて来なくなって
少しさびしく感じられます。
インスタグラムを始めてから、
あちらのほうにビジュアル的なものを載せるようになったので、
ダイアリーではインテリアやアンティークから離れる内容が多くなってしまいまして。。。
冒頭の画像は、過去に取り扱っていたランプになります。
緑つながりで、イメージで載せてみました。。。
インテリアへの思いと、お知らせと。
実店舗の営業ですが、
色々と悩みましたが、
もうしばらく自粛したいと思います。
ご不便お掛けして申し訳ありませんが、
どうぞよろしくお願いいたします。
オンラインショップは可動中ですので、
ぜひ遊びにいらしてください!
営業が再開したら
皆さまを新たな雰囲気でお迎え出来るよう、
これまでにない規模で店内の模様替えをしています。
ほんとうは買い付けにも行けれていて
新しいコンテナが届いる中でお迎え出来れば
いちばん良かったのですが。。。
でも少し前のダイアリーでも書きましたが、
メンテナンスが追いついていなかった商品がまだまだあり、
すべて自分で買い付けてきたモノばかりなのにヘンかもしれませんが、
「こんなのもあったんだった!」
なんて感じで、在庫の洗い出しに喜びを見出しているこの頃です。。
この事態だったからこそ得られたこともありました。
しかし、このまま買い付けに行けなかったら・・・・・
そんなことを考え出すと、
頭の中でいくつものパラレルワールドが出来上がっていきますが(笑)、
とにかくしばらくはこの仕事(メンテナンスと店づくり)に専念しながら、
やっていきます。
そしてこれからもインテリアのことがやりたい。
うまく書けないけど、
これまで肌で嫌いだと感じてきた使い捨て文化だったり素材のことだったりが、
今回のこととどこかで繋がっているように思ったんですね。
それで自分の考え、
一周まわってみても・・・・・、
やっぱりアンティークやインテリア・・もっと言えば暮らしのことですかね・・にたどり着いたのです。
ところで、しかしだからといって気が緩んでもいけないのでしょうけれど、
ここにきてようやく収束へと向かい始めてきたような気がします。
このまま乗り切りたいですね!
どうぞご自愛ください。
この姿もまた美しい
前回のダイアリーでは、
明かりの消えている店内に違和感を覚える・・なんてことを書きましたが、
それにももう慣れてきました。
ビンテージやアンティーク達、
みんな静かに過ごしています。
そんな、
羽を休めている姿もまた、
とても美しいです。