Diary
お客さまの寝室/名古屋市Uさん
マンションの和室を洋室にリフォームされるお客さまがけっこういらっしゃいます。
今日ご紹介するのもそんなご家族。
「子育てがひと段落して和室の使用頻度が減ってしまったから・・」とのことで、
ご夫婦の寝室に作り替えをされたUさん邸です。
フレンチグレイの壁に、ダークブラウンの床。
そんな内装に変貌を遂げた元和室に案内していただきました。
マンション仕様の和室は窓がないことが多いですが、
Uさんのお家もそういった設計だったので、
まるでどこかのショールームのような、
そんな非日常的な雰囲気も漂う素敵な寝室でした。
そんな空間に合わせて、
Kioで照明とチェストをお求めいただきました。
チェストは、条件のひとつの収納力以上に、
そのしつらえや作りをご夫妻揃ってとても気に入っていただいてのお求めです。
Kioの店頭でしばしの時間
感動しながらチェストを見つめるご夫妻の姿が印象に残っています。
寄木のマホガニー家具が私は昔から好きで、
そんな家具には、ちょっと黒光りしたような木の床ってイメージがあったのですが、
チェストが仲間入りしたUさんの寝室はそのイメージに近いものがあって、
なんだかとても嬉しくなりました。
ランプは球体のグラスペンダントに。
この空間でだとシックですよね!
昔見た何かのフランス映画を思い出します。(何だったか思い出せない。。。。)
そしてナイトランプに選んでいただいた、ガラスの作品。
実はこちらがKioでのお求め第一号です。
光の影もまた素敵で・・・・とのことで、こちらもまたとても気に入っていただいています。
Uさんのマンションは名古屋。
名古屋時代、暮らしていたのはどちらかといえば住宅街でしたが、
人いきれを感じる街の雰囲気も好きで(里山に移住をした今でも変わらないです)、
Uさんのお部屋からはそんな都心を望むことが出来て、
久しぶりの名古屋だーーって、嬉しくなったのでした。
Uさんご夫妻、色々と本当にありがとうございました!
(そして、公開がすごく遅くなってごめんなさい。。。。)
*写真はすべてご主人が後日に送ってくださったものです。
どうもありがとうございました!
アメリカ買い付け紀行『ある日オールドタウンで』
すっかり間が空いてしまいました、、、、、
コンテナもとうに出港しているというのに、
買い付けの記事がまだ一話しか書けていなかったですね、、、
色々なエピソードがあったのですが、
今日振り返ってみていちばん頭に浮かんでくることを記録して、
今回の買い付け紀行はこれにてお終いといたします。。
ある日。
ロサンゼルスから車で二時間弱のオールドタウンへ。
途中、時速100キロ以上で走っていても通り過ぎるのに30分はかかる
広大な農場地帯の景色を楽しみながら向かいます。
そうやって走ってきて突如として町が姿を現すからなのか、
それとも町の様相をしていてもあまりにもひと気がないからなのか、
何度訪れてもオールドタウンは、到着するとシュールな気分にさせられます。
その気分は滞在中も続きます。
ディーラーが引き継いだヒストリックな建物が、
もとはデパートだったり、映画館だったりするからなのかもしれません。
古き佳き時代のアメリカの、
当時の気分が、
無垢の真鍮が手すりになった階段や、
低い天井の映写室跡や、
贅を凝らしたファサードなどに染みついているからなのかもしれません。
モノにもだけれど、
私は人間ドラマにも興味があるのだなあって思います。
もとデパートだったアンティークモールには
当時のものをそのまま残したダイナーもあります。
売り場との垣根は腰ほどの高さの鉄柵なので、
ここだけはいつも賑わいを見せるダイナーが(それもまたシュールで。。)
買い付けをしながら眺められます。
(写真を撮れば良かった。。)
50年代というのは何かがある気がする(笑)
(そんなこと言えば、20年代~60年代くらいまでもだけど)
陽気さの中に潜む暗さ。
でもやっぱり愛があって・・・・。
そんなスティーブン・キングの小説的な気分も味わいながらモールをまわっていると、
棚に並ぶビンテージのホーローやミルクガラスのキッチン用品からもまた
とんでもなくリアルな存在感が感じられるのでした。。
そんななか買い付けたブレッド缶。
本文と写真があまり上手く関連づいていませんが、、
こんなビクトリアンの2シーターも見つかりました。
インスタグラムでも同じことを書きましたが、
このソファを見ていたら映画『ある日どこかで』を思い出して、
タイムトリップしたみたいな、やはりシュールな気持ちになりました(笑)
映画館跡のモールでは、
オーナーのまだ9歳くらいのお子さん(女の子)が
レジの手が離せなくなったパパに代わって
車への家具の積み込みを手伝ってくれました。。
どれも軽くて小さい家具4点ほどだったので、
「いいよ、いいよ」と断っているうちに終わってしまい。。。
さいごに「メリークリスマス」と声を掛け合ってお別れ。
ハートも荷台もいっぱいになって
シュールなオールドタウンを後にしました。
アメリカ買い付け紀行第一話と、年の瀬のご挨拶
12月19日から26日までアメリカ買い付けでした。
日本をそんなに留守に出来ない・・・
でも在庫的に来月に繰り越すことも出来ない・・・・
今回そんな状況だったため、いつもより2~3日短い日程で組みました。
そんななか、予算はいつもと変わらず。
果たしていつも通りモノが集められるか・・・・
さすがに不安もありましたが、
今回運よく家具の放出が多く、
納得のいくモノを予算分買い付けてくることが出来ました。
欲を言えば、いつもくらい時間があれば
ガーデン関連など、主力商品以外のモノも丁寧に探すことが出来たし、
せっかくホリデーシーズンの真っ只中だったのに
クリスマスのモノもゆっくり見れなかったなあ・・・と、
心残りはそれくらいです(でもけっこう残念でした・笑)。
↑クリスマス色で溢れた町には、おおいに癒されたり元気を貰いました!
初日、買い付け紀行ですっかりお馴染みになった、
しかめっ面のマダムのウエアハウスへ。
こちらのトールペイントのコモードが今回の買い付け第一号になりました。
フロレンタインの大ぶりな子です。
出会った瞬間、夢見心地の気分にさせられました。
(時差ぼけや、マダムのしかめっ面を差し引いても。。。)
それで、“夢見心地”という感情やワードを
そのあとの買い付けの間じゅう、ずっと意識することになったんですね。
同時に、昔に作られたモノはどうしてこうも素敵なモノばかりなのだろうって、
これは常日頃から思っていることなのですが、
そんなこともいつも以上に思ったりもして・・・
するとあるときふと出てきた自分なりの答えが、
昔は夢見心地な気分になることもとても大切にしていた時代で、
モノ作りにおいても、そんな想いが反映されていたんじゃないのかなって。
こういうの(夢見心地な気分になること)って、
無駄なことだとはけっして思わない。
むしろこれから先の時代には
また大切なこととして揺り戻してくるんじゃないかな。
じっさいそんなムードは、もうだいぶ前から生まれてきていますよね。
買い付け紀行、まとめみたいな初回になりました。。。
そしてお話まで逸れてしまいますが、
Kioの年内の営業、昨日がラストでした。
この一年も皆さまからの沢山のご愛顧、
本当にありがとうございました。
今の世の中のことも(たとえば使い捨ての文化のことだったり)、
じつは(じつはというのもアレですが・・)いつも考えています。
夢見心地な気分でいることと同じくらいに(笑)
お客さまともよくそんな話題になります。
アンティークの話をしていると、その流れで自然となっていく感じです。
自分がやっている商売だから贔屓目に見ているわけではないと思う(笑)、
何か紐解く物が、この素敵なモノたちのなかに、それを通した事柄のなかに、
あるように思うのです。
来年もKioをどうぞよろしくお願いいたします!
そして皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください!
キャンプファイヤー in 白山町
このところ地域の異業種の方と交流させていただく機会が増えてきています。
お話ししていて感じるのは、
皆さん、白山町を愛していて、
もっと魅力を広く知って貰いたいと強く望んでいること。
そんな熱い想いを共有できることもですが、
鹿の猟をしているひとだったり、
地元食材でお菓子を作っているひとだったり、
ゲストハウスをしているひとだったり、
クラインガルテンを運営しているひとや、
陶芸家さん、
杉板でじっくり焼いた肉の製造販売をしているひと・・・・・
この環境ならではのユニークな事業をされている方にお会い出来るのが
新鮮で楽しいです。
そんななか先日地元の猪倉温泉の敷地でおこなわれた
「インターナショナルフェスティバル in HAKUSAN」というイベントに
お邪魔してきました。
地域に暮らす外国人のひと達が作ったモノの紹介や販売を通して、
彼らと地域住人との交流を深めるというのが主旨。
前述のゲストハウスのオーナーさんがかねてより抱いていた
「白山町に外国人の旅行者や移住者をもっと増やしたい」との想いをカタチにしたものです。
一回目の開催です。
17時スタートとのことで、店が終わってから出かけました。
猪倉温泉は、山の中腹にあります。
Kioから車で五分の距離。
真っ暗な山道をあがっていくのですが、
そうすると温泉に併設されたブルーベリー農園のハウスから
白熱色の明かりが暗闇の中で灯っているのが見えてきて、
それがなんとも温かで素敵な景色なんです。
そして会場へ行くと、今度はいつもは見慣れない大きな焚火が
星空に向かって火の粉をあげていました。
こんな時間からのスタートにしたのは、
どうやらこのキャンプファイアーを楽しんで貰いたくてだったみたいです。
焚火って大好き。
いつまでも眺めていたくなる。
屋台では、くだんの杉板で焼いたお肉を出店するシダーワークスさんや、
世界のビールと一緒に鹿肉の燻製をふるまう猟師さん夫妻の姿も。
(お肉も燻製も美味しかったです!)
辺りからは楽器の演奏も聴こえてきて、
普段は静まり返った白山町の山の中が別世界になっていました。
「コーヒールンバ」の演奏が始まって、
宴もたけなわ。
お客さまの姿もありました!
外国人の皆さん、踊る踊る(笑)
つられて地元の皆さんも、踊る踊る。
(私も誰かに引きずられて、踊りの輪へ。。)
楽しい夜でした。
環境を活かした魅惑のイベント、
地元のひとにもだし、それ以外のひとにもこれから広く知れ渡っていったらいいなと思いました。
(温泉のお泊り客のひとも楽しまれてました!)
そしてキャンプファイヤーの炎のように、
白山町の熱気もこれからさらに大きくなっていくといいな!
森の中のアトリエへ
先月のことになりますが、
画家・須藤陽子さんのアトリエ公開にお邪魔してきました。
*須藤さんとの出会いはこちらの記事に記してあります。
三重県菰野町、
御在所岳のふもと
敷地の脇に三滝川の清流が流れる
自然環境の中に須藤さんのアトリエはありました。
このアトリエ、
須藤さんの制作のためのスペースであると同時に、
須藤さんが長きに渡ってコレクションをされてきた
古今東西の人形や玩具の展示スペースにもなっています。
なのでアトリエ公開は、
須藤さんの原画とともに飾られた、
沢山のコレクションも一緒に堪能出来るという内容。
アトリエのロケーションや、建築美とも相まって、
森の中の小さな美術館に来たような、
そんな気分や時間にひたることが出来ました。
まずはデッキに通していただき、
清流を眺めながらお茶を一服。
そして須藤さんの作品とコレクションを拝観。
もう一瞬にして、
心にぐんぐん、ぐんぐんと染み入ってきました。
カタチ、色、質感・・・・
あるものぜんぶがひと塊になって
はらはらと押し寄せてくる。
どうしてこんなにときめくんだろう。
アトリエはゲストの方でいっぱいでしたが、
須藤さんが丁寧にコレクションの解説をしてくれました。
私の感情が揺さぶられっぱなしだったことも(笑)きっとお察しだったのだと思う、
こちらへの眼差しからそんなことが感じられました。
実は須藤さん、Kioにもご来店いただいたことがあり、
その時お求めくださったリモージュのカップが
フランスのドール達の愛用品のようにして飾られていました!
明治時代の久寿玉と、須藤さんの素晴らしい作品。
絵と同様に、コレクションもまた「これは須藤さんの“作品”なのだ」と思いました。
須藤さんのアトリエ。
ひとつの完全な世界。
とても楽しくて貴重な時間を過ごさせていただきました。
須藤さんにはご自宅用にペンダントランプもお求めいただいています。
「ここだけまだ照明が決まっていなかったの」とのことで、
窓際のカフェスペースへ吊り下げ。
イタリアのアイアンランプ、
この子も須藤さんのコレクションのような存在になってくれていたら嬉しいです。
須藤さん、色々と本当にありがとうございました!
アンティーク時間
しばらく間があいてしまいました。
(思ってた以上だったので、びっくり。。。)
コンテナ入荷後には沢山のお客さまに足を運んでいただきまして
本当にありがとうございます。
今回はご遠方からご来店も多くて、
そんなときは「Kioだけでなくて、白山町も気に入っていただけたらいいなあ」なんて、
移住してまだ四年なのに、生意気にも白山町大使を気取っています(笑)
お客さまと一緒にモノ(アンティーク)を眺めながら、
色んなお話しもさせていただきました。
総手縫いのキルトのベッドカバーがあるのですが、
これなども皆さん、掛けられた時間に思いを馳せて感激なさいます。
「膨大な時間だったと思うけれど、きっと苦にもならず、反対にいい時間だったのでしょうね」と
とあるお客さま。
私も本当にそう思う。
「なんだか羨ましいです」と言うと、
お客さまも目を細めていらっしゃいました。
そのお客さま、
ある遠方からのお客さまが買われた家具をたいそう褒められるので、
ご遠方から来られた旨を伝え、
せっかくなので青山高原の中までお連れしたことを話すと、
「そんなことを聞くと、自分まで嬉しくなってくる」とおっしゃいました。
そんな言葉がまた嬉しくて。
アンティークが架け橋になって
Kioにもいい時間を作ってくれています。
「アメリカ買い付け紀行」と「お知らせ」
まずはお知らせから。
今回のコンテナ、
本日無事に通関許可が下りまして、
あさって23日水曜の荷受けとなりました。
つきましては、
いつものようにしばらく準備でお休みをいただきまして、
お披露目は、29日火曜からとなります。
当初は今週末に間に合わせる予定だったのですが、
台風の影響で遅れが出てしまいました。
店頭やメールなどでお伝えさせていただいた皆さま、
こんなことで遅れてしまいますこと
お詫び申し上げます・・・
さて、今日も買い付けの断片を・・
ときどきこの買い付け紀行に登場する
いつも喜びをしかめっ面で表現する(笑)ディーラーのマダムから
エドワーディアンのビューローキャビネットを買い付けました。
買い付けるにあたって
まず価格面でのハードルがありました。
しかしこれは、マダムがビューローのオーナーに電話で掛け合ってくれたお陰で
(このビューローはマダムが委託販売をしている品でした)、
何とか日本で販売出来る金額になりました。
(マダムは受話器を片手に、しかめっ面で親指を立てて、
こちらに交渉成立のサインを送ってくれました)
次に状態。
キャビネットの中は布張りになっていて、
かなり傷んでいました。
何しろ19世紀の布です。
けれどこれに関しては
「自分だったらこのまま使いたいな」と思えるような
そんな風合いでしたし、
それに張り替えが出来るので、
お客さまにまずこのままの状態でお見せして、
張り替えご希望ならそれに応じればいいので、
とくに問題はないと思いました。
いちばん気になったのが(細かく言えば色々ありましたが)、
サイドパネルの裾に入ったクラックでした。
正直、無かったらどんなに良かっただろうと思いました。
でも、“この一台”なのです。
たとえば18世紀の宮廷家具ほどには希少&貴重品ということではありません。
自宅で使っているひともいるでしょう。
けどそれでも、ミュージアムやアンティークの本で見る機会のほうが多い一台です。
それがいま目の前に、手の届くところにある。
いや、というよりも何よりも・・・・、
ただただ、この家具は何て可愛らしいんだろう、素敵なんだろうと、
だから欲しいと思った。
「これがKioをまた変えてくれるような気がする」
もちろん、ただKioかわいさのことだけではありません(笑)
これが入って、Kioが面白くなることで、
最終お客さまに喜んでいただける。
新しい試みをするときにはいつも頭に浮かぶことを
この時も強く思いました。
決断に長くかかりましたが、
そばで見守ってくれていたマダムに買う旨を伝える瞬間の嬉しかったこと。
そしておそらく私と同じように嬉しかったはずのマダム。
「Yeah Yeah!!」と言ってくれましたが、
その表情はやはりしかめっ面だったのでした。。。
↑マダムのウエアハウスの一角
ビューローも他の子たちも、
明日、無事に届きますように!
アメリカ買い付け紀行『お宝ハンターとの出会い』
内陸の町から帰った翌日は、
LAから一時間ほどの町へ。
「マダムたちのフリーマーケット」で知り合ったディーラーたちのウエアハウスが集う界隈もあり、
彼女らお得意のフレンチでシャビーな品揃えにもですが、
夢やパワーがいっぱいのマダムたちに会えるのが嬉しくて、
このところの買い付けではいちばん楽しみにしている町。
「買い付け前日の日記」で、
テキサスにサルベージに行ったマダムがいると書きましたが、
彼女がいるのもここ。
正確には、あるアンティークモールに間借りをしています。
まずそのモールへ向かいました。
今回はここでの出来事に焦点をあてたダイアリーです。
しかし彼女のブース、
確かにインスタグラムに投稿されていたテキサスでの戦利品があるにはあるのですが、
申し訳程度というか、
これはブースの内装なのよ・・と言わんばかりの量なのです。
彼女もいませんし、
モールのオーナーもこの日はお休みを取っていて、
事情の分かるひとはいませんでした。
おかしいなあ・・・・・
期待が大きかっただけに気持ちがしぼみましたが、
それでもモールには素敵なアンティークやビンテージが沢山で、
いつも通りの感じで、良い買い付けが出来ました。
↑集まったモノのいちぶ
買い付けアイテムたちをモールのみんなと一緒に積み込み始めたところに
ピックアップトラックに乗って二人組の男性がやって来て、
こちらに気づくと、「任せて」と言って私たちに代わり(何しろ女性ばかりだったので。。)
手慣れた様子で残りの品々の積み込みをやってくれました。
そして積み込みが終わると
トラックの荷台から古びた板片を二枚を持ってきて、
「こんなのもし好きだったら、あげるよ」と言うのです。
100年はとうに経っているかと思われる、古い古い板。
風や雨ざらしにもなったようで、灰色に変色をしていて、年輪がすっかり浮かび上がっています。
好きじゃないひとにとってはたぶんただの廃品にしか見えない板・・・、
でも私にとっては宝物です。
嬉しくいただきました。
でもこのひと達、ここでは会ったことないけど、誰なんだろう?
今度新しくブースを出すディーラーなのかな?
そう思っていると、
「テキサスの古い納屋を解体した時に出てきた壁の板のほんの一部なんだ。
これと同じのがあと2000枚、倉庫にあるんだよ」と。
2000枚にも驚きましたが、
あれ?、テキサス??、と・・・・・。
そして次に、
「こんなのもサルベージして来たよ」と言って、
スマートフォンの画像を見せてくれたのですが、
その画像に写っているモノ達、どれも見覚えのあるモノばかり・・・・
「もしかして、Mの・・・・」
そう、彼らはテキサスに行ったマダムMの旦那さんとその相棒だったのです。
どうやら戦利品のほとんどは倉庫に置いてあるのだそうで、
(モールにはいちぶだけ展示して、月末に倉庫で販売会をするのだと言っていました)、
「いつでも倉庫に見に来てくれていいよ」との嬉しい申し出。
倉庫は農場の納屋を再生したもので、
広い敷地には昔のガスポンプがずらりと並んだ様子が画像に写っていました。
マダムMがここまでの規模でやっているとは想像もしていなくて
(インスタにも倉庫の写真はなかったので)、
思わぬ展開に飛び上がったのですが、
彼らの倉庫はこの町からけっこう離れており、
そこまで行って買い付けをするには、あらためて出直す必要がありました。
以前のダイアリーで、
「廃墟お宝ハンター」のジェイ(アメリカのテレビ番組)のことを書いたことがありました。
Mと旦那さんとその相棒は、まるでジェイのチームそのものでした。
サルベージのお話ももっといっぱい聞いてみたかったし、
それらが今眠る古い納屋がどんなだか見てみたい気持ちでいっぱいでしたが、
しかし、あとの日程はどうにも変更がならなくて、
「じゃあまた今度」ということになったのでした。
買い付けも15年目に突入しましたが、
毛色の違うルートが増えてこれからがまた楽しみですし、
なんだかとても面白いところ(国)で買い付けが出来ているんじゃないかなって、
あらためてそんなふうに思えてきました。
↑マダムMのブースの一角
ミラーを嵌め込んだ大窓もテキサスからのサルベージ品
アメリカ買い付け紀行『19世紀の家具と内陸の町』
内陸の町。
一日目。
14軒のディーラーをまわりました。
大方のディーラーがひとところに密集してくれているお陰もあって
それだけの数をまわることが出来たのですが、
9月のカリフォルニアは下手をすると8月より暑いことが多く、
ちょうどこの時もそうで、
動き続けていたせいか
買い付け先では冷房がきいていても汗がやまず、
しかも「ぜんぶまわりたい」と思うばかりに勇み足にもなっていて、
なんだかどこのディーラーに行っても一人だけ浮いたような感じでした(笑)
あるアンティークモールでは
すごい早さでブースをくまなく見て、
気に入りがあると廊下まで持ち出して四方から眺めたり写真を撮ったりしている私を見て、
「彼女はアンティークがよほど好きに違いない」と、
私の耳にも届けたかったのか、大きな声で話す家族連れまでいました。。
↑前列の彼らです。
モールオーナーと一緒に最後に記念写真。
「あなたはインテリアデザイナーなの?」
アメリカでは女性ひとりでアンティークをいっぱい買っていると
みんなまずそうやって思うのかな?、
よくそう聞かれるのですが、
私が顔を向けると、この家族の奥さんが同じことを聞いてきました。
「日本でアンティークの店をやっている」といつものごとく答えると、
旦那さんが50年代の日本のおもちゃのコレクターなのだそうで、
出会いをいたく喜んでくれました。
「日本のきみの店に買い物に行くよ」と
冗談でそんなことも付け足してくれて。
でも嬉しかったな。
この町で集まったモノのいちぶ。
暑いこともあってなのか、
先の家族もですが、他のモールで居合わせたひとや通行人のひとも
ディーラーにまじって車への積み込みを手伝ってくれました。
こうやって買い付け画像を振り返っていると、
その時のことが思い出されてきます。
二日目は、朝から大移動。
一時間半離れた、別の内陸の町へ。
あるモールがヒットで、
画像の真ん中のリビングボードをはじめ
一軒にしてはなかなかの量を集めることが出来ました。
リビングボードは1800年代後期に作られたもので、
リアルアンティークです。
出会えて、そして自分が買い付けることが出来たことに興奮。。
すると隣のアルモワールまで欲しくなってきて。。。
私が何も言わないうちからモールのマダムがブースオーナーに掛け合って
日本で小売り出来る金額にまでしてくれたのですが、
この大きさ・・・・・・・
売れる売れないではなかったし、
店内のスペースだって作ることだって出来る、
でもこれを基本的には私と夫のふたりしかいないKioで・・
というか厳密に言えば、ふたりしかいない内のひとりは女性のショップで、
この分厚い鏡を扉に嵌め込んだ巨大な家具を、扱う・・
・・最終お客さまのところまできちんと届ける・・ことに対しての自信が
今は持てなかった。
“壁”を感じた瞬間でした。
でも乗り越えたい、今後の課題ですね。
このモールでも、
腕を怪我したマダムに代わって、ここのお客さんが積み込みを手伝ってくれました。
大感謝です。
珍しいところではこんなアンティークのファイヤーピースが見つかったりして、
この後も順調にモノが集まりました。
もう汗も埃も、おかまいなし!
どんと来い!です!
二日間の買い付けということもあり、
車の荷台は、はちきれんばかりになりました。
帰り道。
暑さは前日の夕方と比べるとだいぶ和らいでいました。
休憩で立ち寄った牧場に面していて景色のいいレストアリアでは
メープルがすっかり色づいていて
暑さに反して早い、カリフォルニアの秋を目で感じました。